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【第48回三田祭特集2006】
DAIMAJINが三田祭に登板! 〜佐々木主浩氏 講演会〜

三田祭二日目の11月24日金曜日、西校舎ホールに世界の大魔神が登場した。



■DAIMAJINのマウンド入り

 伝家の宝刀フォークボールで相手バッターを三振に切ってとるVTRが流れたホール後方から佐々木氏が入場すると、会場を埋めた聴衆からは歓声が巻き起こった。通路側で手を出す聴衆に対しても快く握手をし、ステージでは司会を務める塾生が緊張気味なのを見て「緊張してる?」と声を掛け、早速スーパースターらしい優しさが垣間見られた。

「あなたを奮い立たせる声」と題して行なわれた講演会では、大学時代から日本球界、そして憧れのアメリカメジャーリーグへの挑戦と活躍などを中心に、これまでの野球人としての足跡を率直に丁寧に語ってくれた。

■DAIMAJINに迫る

メジャー初登板の感想を聞かれて「緊張して覚えて無いね。とにかく精一杯で。メジャーでできる自信はなかったから」という、私達が抱く“世界の大魔神”のイメージからすると意外な答えに会場からは驚きの声。しかしその一方で、印象に残っている選手として挙げられたアレックス・ロドリゲス選手について「彼とは私生活でも一番の友達。(彼が)移籍して対戦した時は、(メジャーリーグで)一番良いバッターと対戦できることが嬉しかった」という、超一流選手ならではの力強さが滲むコメントも聞かれた。

質疑応答では、日本のプロ野球時代やメジャーリーグについての他にも、「フォークボールの投げ方を教えてください」や「自分の子供を野球選手にするためにはどうすればいいですか?」といった質問から、更にはマスターズ・リーグへの参加を望む声まで飛び出した。その中でも、日本球界とメジャーとの違いについての質問に対して、「ニューヨークで試合が行なわれる時にマンハッタンの信号が全て青に変えられ、移動のためのバスがホテルから球場までノンストップで先導された」というエピソードを披露。「その時は総理大臣に勝ったと思いましたね」というコメントを添えて会場の驚きと笑いを誘った。

■夢と目標を持って

講演の終盤では、佐々木氏がこれまで活躍を続けた力の源について「夢と目標を持っていたね。メジャーという大きな夢を持って、そのために一つ一つ目標を達成していくことで夢を実現させてきましたよ」と語り、最後に塾生に向けて「夢と目標を持って、後悔しないために今できることを一生懸命やってください」というメッセージを送ってくれた。日本でクローザーとしての実績を積み重ね優勝を果たしたことで、抱き続けたメジャーリーグ(デビュー)の夢を実現した佐々木氏が発する言葉には、現役時代の投球と変わらぬ重みとキレがあった。

大盛況で終わった本講演会。終了後、聴講していた学生数名に感想を聞いたところ「(現役時代と変わらず)すごくかっこよかった」「体も存在感もすごく大きかった」というものの他に、「最初は(マウンドで見せる表情から)こわいというイメージがあったけど、とてもフランクな方だった」「お客さんの笑いを取るエンターテイナー」といったものも多くあった。“世界のDAIMAJIN”と同時に、野球人・佐々木主浩氏を感じ取ることができた講演会であった。


取材   湊貴也