塾生インタビュー #47[07/10/25]

慶早戦企画第二弾“塾生みんなで神宮へ!”
塾野球部メンバーによるSpecial対談 part2

対談 青池悠五選手(副主将)×松橋克史選手(副主将)
対談 相澤浩輔選手(投手)×坂本直寛選手(捕手)
対談 加藤幹典選手(投手)×中林伸陽選手(投手)
さまざまなドラマが生まれた六大学野球の秋のシーズンも、残るは慶早戦のみである。春の悔しさをばねに、なんとしても優勝したい慶應義塾。今シーズン最後の戦いではどのようなドラマが生まれるのだろうか。 前回に引き続き、今回も塾野球部の豪華メンバーによる対談が慶應ジャーナルで実現!チームを支える青池・松橋副キャプテン、上級生に負けないバッテリーを組む相澤・坂本選手、そして慶早戦の鍵を握る加藤・中林投手の熱い思いを存分に感じ取っていただきたい!

青池悠五選手(副主将)×松橋克史選手(副主将)

■新しい人種との出会い?〜対照的な副主将〜

―それでは、まず他己紹介をお願いします。
青池選手(以下、青池)「松橋は…真面目です。僕とは全然性格が違うかな。でも、真面目だけど意外に細かくない(笑)。なんか変なとこで楽天的っていうか、もっと突き詰めて考えろよって思いますね。まぁ二人とも同じO型なんだけど(笑)。野球に関してはすごいチームのことを考えてます。あと、意外にモテる。あっ意外って言っちゃった(笑)。優しいし、しっかりしてるし、野球も上手いし。」

松橋選手(以下、松橋)「青池の方がモテるじゃん(笑)。」

青池「まぁそこはね(笑)。だから、みんなに好かれてるんですよね、松橋は。知れば知るほど好きになるっていうか。いいかげんな男じゃないし、やるって言ったらやるし。今まで、同い年で尊敬できる選手ってあんまりいなかったんだけどな。こいつみたいなプレーしたいなって思うのは、宮田と松橋くらいかな、現段階では。まぁ、よく怪我するとことかは見習いたくないけど(笑)。」
松橋「青池は、自分でも言ってるんですけど、とりあえず負けず嫌いです。自分自身でもなんでも一番がいいと思ってるし、周りもこいつが一番って認めてる奴かな。」

青池「どうした、お前(笑)。」

松橋「人柄は…ほんと面白いことばっかやってて、なんか新しい人種に出会ったかんじです(笑)。すごく明るいし…」

青池「いや、実は裏があるんだよ。悩める男なの。」

松橋「自分で言うなよ(笑)。まぁチームの雰囲気を良くしてくれるのもこいつだし、悪くするのもこいつですね。だから青池がなんでも一番になってくれるとチームにも良いんですよね。練習も、うちの学年だと、一番かはわからないけど、かなりするほうだし。」

青池「してない、してないって。」

松橋「地道な姿を人に見られるのが嫌だからこう言うんですよ。現状に満足しないで、いつも上手くなろう、上手くなろうって。全体の練習の時もそれはすごく感じるし、チームを引っ張る立場の奴がそういう気持ちでいてくれるのは心強いですね。誉めちぎるとこんな感じです(笑)。」

青池「悪いとこがないからね(笑)。」

■二人三脚でチームを支える

―副将として気を付けていることはなんですか?
青池「俺は笑顔でガヤガヤした雰囲気で野球やりたいんだけど、ノリがいきすぎちゃうときがあって。そこを松橋が真面目なムードにしてくれるし、逆にこいつが堅すぎる時は俺が面白おかしくいじったりしてますね。2人で1人っていうか、ほんとに2人いて良かったなって思います。チームの盛り上げ方も違って、俺と翔(佐藤翔選手)がとりあえずなんでも言っちゃえってかんじで盛り上げるんですよ。面白くして、それを力に変えるっていうか。どんだけ笑っても良いけどエラーは打つなよっていうのが、俺と翔かな。」

松橋「そこで俺と宮田(宮田泰成キャプテン)が『ふざけすぎ』って怒る。まぁ内野と外野の違いもあるかな。」

青池「内野はすごい繊細なポジションだから、面白くすんのは無理だよな。外野は野次なんていくらでも言えちゃう(笑)。でもさ、こんなキャラだからなのか、真面目な会の時とかに『主将の宮田くんをはじめとして、松橋くん、加藤くん(加藤幹典選手)…』って、俺が副将ってこと忘れられたりするんだよね(笑)。『えー俺は?』みたいな。まぁ真面目な場はこいつに任せて、宴会とかは俺がキャプテンだと思ってやってます。」

松橋「副将として宮田ともよく話すよね。」

青池「宮田って暴走機関車なんだけど(笑)、やっぱ俺らのキャプテンだから、どんだけおかしい方向に突っ走っても付いていこうと思ってて。そうじゃないとチーム崩壊しちゃうからね。もう宮田が10対0で悪くても、俺らはついていきますよ。そんなもんじゃないのかな、キャプテンって。『宮田、キャプテンよろしく』って言っときながら従わないのはやりにくいだろうし。一番嫌われちゃうポジションだし、俺らが副将として守っていかないと。」

松橋「宮田も青池がおかしなことしたら『もうちょっとちゃんとしろよ』って言ってくれるし、そしたら俺が『青池だけが悪いんじゃない』ってフォローするし。ほんと三人だから成り立つっていうか。」
青池「でもこの三人ってすっごく縁があって…一年のころからメンバー入りしてたのが俺と宮田と松橋なんですよ。でも俺、宮田と口もきかないくらい仲悪くて(笑)。いや、最初はすっげぇ仲良かったんだ。でもさ、宮田って寡黙じゃん?俺は変なことばっかやってて慶應に新風を巻き起こしたいタイプだったから(笑)、性格が真逆で。野球に対する考え方はすごく似てるんだけど、アプローチの仕方が違うんだよな。宮田ってもっと周りに言えば良いのに背中で語りたいタイプなんだよな、語れてないのに(笑)。あ、いや、語れるんだけど誤解を招くこともあるわけで。」

松橋「で、青池がもどかしくなってつっかかるんだよな。ほんと、すぐつっかかりあうんだよ、こいつら(笑)。」

青池「これは伝説なんだけど、おんなじ場所にいるのに、お互い松橋に伝言頼んで会話してたもん(笑)。隣で聞こえてんのにね。で、松橋が『なんで俺が気ぃ遣わなきゃいけないんだよ』って怒るんだよ。名づけて、松橋仲介事件(笑)。」

松橋「ほんとに面倒な奴らで(笑)」

青池「松橋は、派閥作るとチーム割れちゃうから『俺はどっちの味方にもなれないよ』ってね。で、結局は松橋がいないときにヤス(宮田選手)と謝りあうの(笑)。松橋がいると恥ずかしいから。」

松橋「知らなかった。なんだよ、それ(笑)。でも、それから意見をぶつからせながら仲良くなっていったよね。屋上でビール飲んだりね。」

青池「松橋とはケンカほとんどしないよね。」

松橋「グラウンドで言い合うくらいかな。」

青池「こんなに俺のこと理解してくれるのこいつぐらいなんですよ。普通なら嫌われてもしょうがないくらいわがままなのに(笑)。」

松橋「まぁそこはお互い様じゃない?」

青池「明らかに悪くてもお互い謝らないよな。タッチアップのことでケンカしたことあったな。」

松橋「どっちも『俺は悪くない』の一点張りで。チームもピリピリしちゃって。」

青池「でもマウンド降りたら『さっきのやっぱ俺が悪いわ』『俺もむきになってたわ』みたいな(笑)。」

松橋「いくらマウンドでケンカしても、練習は一緒にあがるしね。ケンカしてても気持ちは一緒だからかな。勝ちたい、強くなりたいっていうのが大前提としてあるから。」

青池「それが見えないなら許さないけど、ちゃんと考えてるからな。」

■笑顔で飾るラストシーズン

―最後のシーズンはどういうシーズンにしたいですか?
松橋「悔いが残らないようにとは漠然と思ってたけど、そう思ったらやっぱ日本一になるしかなくて。途中で負けたら悔いが残るし。それをみんなで達成できたら最高だなと思いますね。」

青池「俺ね、ずっと、みんなで笑えんぐらいだったら優勝しなくていいと思ってた。優勝を目指すあまり、練習で意見が対立して口もきかないような状況だったら、優勝なんかしたくないって。でも、考えてみたら、優勝しなかったら笑えないもんね、むしろ二位とかだったら。最後だし、有終の美って言葉があるけど、別に仲悪くてもいいから優勝したいね(笑)。そんぐらい変わった。相当優勝にこだわってるね。変わったよね、みんな。なんか、春とか、優勝に対する執着心が無かったのかなって思うくらい。あったっちゃあったけど。」

松橋「春というか今までだね。春に負けて、ほんとにそう思えたんだよね。二位とか三位じゃ満足できない、俺たち何やってたんだろうっていう。」

青池「でも、去年優勝したとしても今年ほどは嬉しくなかったよね。自分が試合出てても。」

松橋「去年も真剣だったけど、やっぱ自分の代だと気持ちが変わるね。同期への思い入れもあるし。」

―同期はどんなカラーですか?

青池「俺カラーじゃない?(笑)」

松橋「最初はばらばらだったけど、うまく混ざったよね。」

青池「4年間野球部にいるけど、一番ユーモアある気がする。」

松橋「真面目に、すごくがつがつ野球やってるんだけど、青池みたいな奴がいるからみんな面白おかしくもやれてて。ほんと仲良いよね。」

青池「仲良い。これはほんとに自慢だね。」

■言葉に出来ない想い

―野球をやる上でのポリシーやプライドはありますか?

青池「なんだろう…ない。ただ最後に優勝するってことだけで。俺、小学校は最後のシーズンで優勝してて、中学校も全国大会でて、高校も甲子園出たから、大学もそれが崩れないことを願うくらいかな。「最後はやる男だ」っていうね。でも、基本的にポリシーとかプライド持ってたら上手くなれないと思う。野球って答えないから、今日良かったことが明日も良いかはわかんないしすぐ時代遅れになるんだよね。」

松橋「精神性とかが強く出るよね。見えない心の部分を見ようとするもんな、野球って。」

青池「俺、心身統一のために、合気道に通ってるよ。ほんと野球のことになるとくそ真面目だから。合気道の技自体を学ぶって言うより、やってる人と話して、これって野球と結びつくんじゃないかなって考える。合気道って、誰かを投げる前に「絶対投げられる」って思ってから投げるんだって。だから野球でいったら「絶対打てる」って思って打席に入るのと一緒かなって。プラス思考が基本だから「最近どうなの?」って聞かれたら、どんなに調子悪くても「調子良いです」ってしか答えちゃいけないの(笑)。すべては心が動かすって言う掟があるんだよね。」

松橋「それはほんと大事だな。」

―お二人にとって野球とは?
松橋「野球人生=自分の人生ってところがありますね。」

青池「長嶋か(笑)。」

松橋「学校で勉強すること以外のことって全部野球から学んでて。礼儀とか、挨拶とか、人と接することも。野球抜きでは、自分の今まで生きてきた道を語れないんで、自分の人生そのものって言っても過言じゃないですね。でも、野球をずっとやろうと思ってたんですけど、大学までで辞めます。怪我とかもあって、周りから見たら「逃げ」かもしれないけど、自分の中ではそういうつもりは無くて。今まで野球に学んできたからこそ、今度は野球を離れて新しく何かに挑戦したいというか、野球以外の自分に何が出来るか、いろんな人生歩んで行きたいと思います。」

青池「そのこともね、二人で語ったよね。俺は野球やってほしいと思ったんだけどね。簡単に辞めるのかな、野球嫌いになっちゃったんなら嫌だなって。」

松橋「お前が一番反対して、一番賛成してくれたね。」

青池「まじで反対した。続けていけると思ったんだ、もったいねえなって。でも、いろいろ話し聞いたら、深く考えてることがわかったし、こいつならやっていくだろうなって。」

松橋「やっぱりこいつが一番の理解者なんですよ。」

青池「俺にとって野球とは…そうだな〜野球でしか自分を表現できないからね。言葉が要らないじゃん、野球って。言葉だと気持ち表すのが恥ずかしくても、野球だと、言葉無しで選手とスタンドって一緒に感動して、一緒に寂しくなれるし。俺にとっては会話のツールかな。単なる道具ってわけじゃないけど、俺自身はこれからも野球で表現していきたい。」

―最後に神宮に来るファンに一言お願いします。

青池「野球って筋書きの無いドラマって言われるじゃないですか。俺、ドラマとか映画ってハッピーエンドしか観ないんですよ。誰かが死ぬのとか絶対見ない。悲しくて涙するのは嫌で。だから、俺がやってる野球もハッピーエンドにしたい。それを観に来てほしいです。」

松橋「青池も言ったように、野球って観に来るだけで伝えられるものがあると思うんです。もちろん勝ちにこしたことはないけど、勝った負けたじゃなくて、慶應野球部はこういう野球やってるんだって、一人でも多くの人に見せられたら良いですね。言葉じゃほんとに表せない部分をスタンドで感じていただきたくて。観にきたら、絶対何か感じるものがあると思います。」

青池「一人が一人誘って、その子がまた誘ってって感じで来てほしいよね。ねずみ講の原理で(笑)。」

相澤浩輔選手(投手)×坂本直寛選手(捕手)

■ 期待の星☆彡 3年生バッテリー

 ―最初に他己紹介をお願いします。

 相澤選手(以下、相澤)
「坂本君は…野球に関して言えば、守備が上手い、頼れるキャッチャーですね。真面目な性格で、ミーティングでもよく発言しています。普段はと言うと、物静かであんまり喋んないんで、全然面白くないです(笑)。」

坂本選手(以下、坂本)
「もっといいところも言えよ(笑)。相澤君は、見たままの穏やかな性格で…でも結構頑固で、意地っ張りなところもありますね。でも、それもピッチャーにはある程度必要なことかなと思います。」
 
―初めてバッテリーを組んだ時のお互いの印象は?

相澤「坂本は、同じ学年ということもあって、普段僕に対しては、あんまり気を使わないんですよ(笑)。でも、1年前の春季の新人戦で初めて坂本とバッテリーを組むことになった時、練習中も試合中にも、場所の細かい違いまで的確なアドバイスをしてくれて…キャッチャーやっている時は、細やかな気遣いをしてくれるんだなと思いました。坂本の新たな一面が発見できた瞬間でしたね。」

坂本「嬉しいなぁ〜もっとそういうこと言って(笑)。」

―野球以外でのお二人の交流はありますか?
坂本「オフの時は、二人ともインドア派なんで、一緒に出掛けたりっていうのは無いんですけど、試合の帰りとかによく一緒にご飯食べに行きますね。でもその時は、野球の話ばかりじゃなくて、普通に世間話もするよね。」

相澤「そうそう。野球の話と世間話が半々だよね。あと、坂本はCDたくさん持っているんで、CD借りることもあったね。お互いに洋楽をよく聴くんで…。」


■ 常に全力を尽くす

 ―野球をする上でのプライドやポリシーを教えて下さい。
 
坂本「とにかく自分の与えられた持ち場で、できることをやるっていうことですね。練習の時も試合の時も、あれこれと難しいことは考えずに、自分ができることを全力でやろうとしか考えてないです。」

相澤「右(坂本選手)に同じく(笑)。自分の全力を尽くすために、僕の場合は、特に問題が無かったら、敢えて自分のスタイルを変えたりしないってことですかね。あんまりあれこれ考えずに、うまくいっているならそれでいいし、悪かったら変えるということだけです。」

―大事な試合の時は、緊張しますか?
相澤「僕はします。緊張したら、その緊張を解かずにそのまま試合に入りますね。」

坂本「キャッチャーの場合はピッチャーに比べたら緊張しないと思います。というか、常にボールに触っていますし、緊張しちゃいけないポジションなんじゃないかと。
でも、相澤もあまり顔に出ないんで、緊張しているとか分からないですよ。実際今の取材の方が緊張しているんじゃないですかね(笑)。まぁでも相澤は経験も積んできているし、いくら緊張していても何とかやり切るっていうのを知っているので、そんなに心配してないです。信頼してますね。」

相澤「坂本は、僕より先にマウンドにいるので、試合中のあらゆる状況が分かっていますし、その点でも坂本を信頼してます。」

坂本「なんか照れるなぁ(笑)。」

■ 野球とは…

 ―お二人にとって、野球とは何ですか?

相澤「僕は、野球をやっている時が一番いきいきとしていると思うんです。
だから、野球とは、自分に活力を生んでくれるものですかね。特に、慶應の野球部に入ってからは、勝利に対する意識がますます強くなりました。高校までは、“勝ったら嬉しい、負けたら普通”で、慶應に入ってからは、“勝つのは普通、負けたら悔しい”っていう感じで。」
坂本「僕は本当に小さいころから野球をやってきたので、野球をやってこなかったら今頃何をしているのかなぁって…野球以外で何やってきたかって考えても、あんまり浮かばないくらいですね(笑)。それくらい今までの自分の人生で大きなウエイトを占めるものです。野球をやっていることで、ただ技術が上達しただけというわけではなくて、人に対する礼儀とかも教えてもらったし、本当に野球をやっていてよかったなって思います。でも、今自分がこう思えるのは、慶應の野球部に入ったおかげですね。」

相澤「でも、“自分にとっての野球とは”ってことに関しては、答えというものはまだ定まってないかもね。」


■ 最終シーズンを迎える四年生の先輩方へ


―四年生の先輩方との思い出は何かありますか?
相澤「僕は、翔さん(佐藤翔選手)とよくご飯を食べに行ってて、試合前だったら野球についての話をたくさん聞いて、最近では就職活動についてのアドバイスもしてもらっていますね。野球の面ではもちろん、いろんな面で四年生の先輩方にはお世話になっています。」

坂本「四年生の先輩方がチームを引っ張っている姿を見てると、本当にすごいなぁって思いますね。来年はとうとう自分たちの番かぁって。」

相澤「ほんと、ああいう風になりたいよね。四年生の代は一年生の頃から試合に出ている人が多くて…自分たちも日々の経験をしっかり吸収していきたいと思うよね。」

―最終シーズンを迎える四年生の先輩方へ、一言お願いします。
坂本「本当に三年間お世話になってきたので、最後は笑って引退して頂きたいし、そのためには自分も全力を尽くして、チームの力になりたいと思っています。」

相澤「日々の練習から、四年生の先輩方がすごく一生懸命にやっていらっしゃるのが分かるので、優勝という一番いい形で終わりたいと思いますし、その時に、“慶應野球部でやってきてよかったなぁ”って思って頂きたいですね。そのために、僕たちも精一杯頑張らないといけないなと思っています。」


■ ただ優勝あるのみ!!

 
―慶早戦に向けての意気込みをお願いします。

坂本「四年生も最後ですし、もう早稲田に連勝して優勝するのみですね。僕個人がどうこうというわけではなく、“優勝したい!!”それだけですね。」

相澤「僕も同じ気持ちです。本当に優勝したいです!!」


―ファンの皆さんへ、一言お願いします。

相澤「神宮では、ほんとにファンの皆さんの応援がプレーに影響するし、応援して頂けることによって、選手達のモチベーションがより高まりますので、ぜひ神宮球場の方に見に来て頂きたいなと思います!!」

坂本「ファンの皆さんに応援して頂けるということが何よりも心強いので、一人でも多くの人に来て頂きたいです!!」

加藤幹典選手(投手)×中林伸陽選手(投手)

■Enjoy Baseball

―まず、他己紹介をお願いします。

加藤選手(以下、加藤)「えーっ、お前先に紹介して(笑)。」

中林選手(以下、中林)「加藤さんは、誰もが知ってる選手です。よく雑誌とかで『野球を楽しんでる』って言われてるんですけど、本当にそうで、試合中もすごく楽しそうに野球をする人です。私生活でも笑顔が絶えないような、一緒にいてすごく元気をもらえる人です。本当に表裏がなくて、後輩にも優しい先輩です。」

加藤「えー中林なんですけど、なんといっても甲子園のスターだったので、女性に人気があります(笑)。でも練習では真面目ですし、やることはやってくれるので、頼りにしてますね。野球選手としてはすごく良いプレーヤーだなと思います。」

■人気者の二人

―2007年春季リーグ戦の『ファンが選ぶMVP*』に選ばれていましたが?
*ファンの投票のみによって決定されるランキング。東京六大学野球連盟の公式サイトから投票が行える。只今2007年秋季リーグ戦投票受付中(2007/10現在)。http://www.big6.gr.jp/index.html ちなみに2007年春季リーグ戦時の投票で加藤選手が430票を獲得して4位、中林選手が274票を獲得して6位にランクインしている。
加藤「えー、それ組織票じゃないですよね(笑)。」
中林「僕が6位は大健闘ですね。」
加藤「まぁ人気があるのも辛い部分がありますからね。」

―慶應の中では加藤さんがトップですが。

加藤「慶應の枠にとらわれちゃあね、ダメですよ(笑)。でも今回頑張ってるからなぁ。」

―日米野球大会はどうでしたか?

加藤「やっぱりレベルが全然違いました。あと、日本とアメリカでは野球のスタイルが違うなって。新しい経験させてもらったなぁと思ってます。」

中林「僕もいろいろと話を聞かせてもらって。帰ってからずっと一緒に練習もさせてもらいました。加藤さん自身も前より積極的に後輩に技術を残そうとしてくれて、そういう環境だと僕も吸収しやすいし、結果的にお互いにとってすごく良い経験でしたね。」

■良き先輩後輩

―趣味は何ですか?
中林「加藤さんはメールすることじゃないですか?(笑)。」
加藤「あ〜確かに。メール好きだね。絵文字とか使いますよ(笑)。」
中林「加藤さん、絵文字の使い方がすごく上手いんですよ。えー、じゃあ僕は音楽を聴くことで。」
加藤「おい!俺がそれにしたかったよ(笑)。」

―どんな音楽を聴きますか?

中林「僕は最近売れてる曲を聴きますね。」
加藤「試合前に同じ曲を聴いてたことあったよね。何だっけ?」
中林「グリーンの『愛唄』でしたっけ。ちょうど同じ曲聴いてたんですよね。」
加藤「試合前は結構音楽聴きますね。」
中林「僕はゆずの『栄光の架け橋』を必ず、何回も聴きますね。」
加藤「僕はその時の気分で変わりますね。」

―部員同士のエピソードを教えてください。

加藤「部員はわがままな奴が多いなぁ(笑)。何かある?」
中林「1つの布団で一緒に寝たとか。」
加藤「あったっけ?」 中林「あったじゃないですか、つい最近。」
加藤「あぁ、あれかぁ(笑)。」
中林「知り合いのマンションに遊びに行って、人数が多くて場所が足りなかったので、僕と加藤さんが一緒に寝たんです。」
加藤「一緒に寝よっかって(笑)。」

―お二人は仲が良いんですか?

加藤「そうですね…とりあえず今持っているものは全部伝えようって思ってるのが中林なんで。」
中林「一番一緒に時間を過ごしている先輩で、一番尊敬できて、本当に素晴らしい人です。将来は加藤さんのようになりたいと思ってます!」
加藤「口ばっかし(笑)。言葉だけじゃ信用ならないですね(笑)。ちゃんとやって結果を残してもらわないと。」

―野球に対するポリシーを教えてください。

加藤「とりあえず、自分自身を知ることですね。今の自分はどうで、どういう自分になりたいのかっていう段階を踏むと今何をすべきかが見えてくるんで。そういう意味で、自分を知ることです。」

中林「慶應義塾高校には『エンジョイベースボール』っていう考え方があるんですけど、やっぱり好きでやってる野球なんで、楽しみたいなって思いますね。ここまで来られているのは両親や周りの人の支えがあってのことなので、僕を見ている人たちに…加藤さんはよく言われてるんですけど、あいつ楽しそうに野球やってるなって思われるようにプレーしたいですね。加藤さんには技術だけじゃなくてプレースタイルも学ぼうと思います。」

―私生活でも学ぶことは多いですか?

加藤「いや、多分ないと思います(笑)。」
中林「絵文字は参考にしてますけど(笑)。」
加藤「それ以外は学ばない方がいいよ(笑)。」

■野球とは

―自分にとって野球とは?

加藤「自分を成長させてくれたものですね。この四年間の中で価値観の違いとの葛藤もあったし。自分を成長させる場でしたね。」

中林「僕は元々人見知りなんですけど、僕と人とをつないでくれるものが野球ですね。人間関係から何から、すべて僕を成長させてくれるスポーツで、人生の最重要部分ですね。」

―自分にとって慶應義塾野球部とは?

中林「縦のつながりをすごく感じますね。甲子園の時に特に感じました。幼稚舎の子が来て塾歌を歌ってくれたり、OBの方も上は60〜70代までいて。慶應義塾って良いなぁって思いました。」

■絶対勝ちます!!

―今年のチームについてどう思いますか?

加藤「宮田、青池を中心にまとまっていますね。…まとまってんのかな?(笑)。」
中林「個性派集団ですよね。」
加藤「あの二人次第ってとこが大きいですよね。あいつらが良い方向に行けばチーム全体もうまくいくし、悪い方向行けば悪くなるし。」
中林「そうですね、お二人がチームの行く方向を決めてるなと思います。やっぱりお二人がのってる時はチームものっていますね。」

―ファンに一言、メッセージをお願いします。

加藤「僕らが応援に来てくれる方に出来ることって、やっぱりしっかりプレーをすることだと思うので、結果を残していきたいなと思います。」
中林「その通りですね!」

―慶早戦への意気込みをお願いします!

加藤「優勝がかかってますから、最後なので力を出しきるしかないですよね。四年間の集大成ですし。」
中林「僕も最後ってことはすごく意識してて。勝たないと加藤さんと試合に出れるのも最後になっちゃいますからね。やっぱり一試合でも多くやりたいので、慶早戦では連勝して優勝するしかないですね。」

―先発としての心持ちはどうですか?

加藤「多分、対戦相手が佑ちゃんなんで、ここで勝っとかなきゃ世間的にもまずいかなと(笑)。絶対勝ちますよ。」
中林「とりあえず、春は佑ちゃんに負けてるんで、まず加藤さんに勝ってもらって、そのあとは早稲田にリベンジして勝ちたいと思います。」


三組それぞれの雰囲気の中で進んだ今回の取材。しかし、どのペアも、優勝と仲間への思いを語るときにこぼれる笑顔が印象的であった。この笑顔が慶早戦のマウンドでも見られるようにと強く願わずにはいられない。
10月27・28日、あなたも神宮球場で彼らの最高の笑顔を見届けよう!


■関連リンク

・慶應義塾体育会野球部


取材:浅野亜由、田口純子、古本みちる
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