塾生インタビュー #45[07/10/16]

自転車にかけた思い!
自転車競技部に潜入

10月14日(日)、平塚競輪場では、第43回全日本学生自転車競技 新人戦・東日本大会が開かれていた。まだ認知度は高くないマイナーな競技だけれど、そこには自転車に熱い思いを寄せる男たちがいた。 慶應体育会の新種目団体として、今年なんとプロの競輪選手を輩出した実績を持つ自転車競技部!彼らの「太くて長い」世界を覗いてみた。
自転車競技というと「競輪」を思い出す人は多いはず。しかし、実は競輪は自転車競技の一つの種目に過ぎない。自転車競技には大きく分けて三つの種目があり、一般道で行われるロードレース、トラック上を走るトラックレース、塗装されていない道路を走るオフロードレースとなる。一般的によく知られている競輪はトラックレースの一つになる。

退屈な説明はここまでにしといて(笑)

今回、慶應ジャーナル編集部では平塚競輪場で行われた第43回全日本学生自転車競技 新人戦・東日本大会にお邪魔させてもらった。慶應体育会の新種目団体として、今年はプロの競輪選手を輩出したこともある自転車競技部!彼らの「太くて長い」世界を覗いてみよう。

■驚きの連続!自転車競技の世界

10月14日(日)の早朝、平塚競輪場。
週末の朝の眠さに必死に耐えながら伺った時には1年生の井本さんと吉川さんがまるでハムスターが乗るようなモノの上で自転車を走らせていた。初めて見る光景に戸惑っていると、2年生の松尾さんがやさしく声をかけてくれた。
自転車競技部1年の吉川さん・井本さん

「あれはローラと呼ばれる自転車競技向けの練習台です。ここから見ると普通に乗って走っているだけに見えるけど、あれ、実際にはすごく難しいんですよ。自転車を固定したりするモノがまったくないので、単純に遠心力だけでバランスとっています。」

固定されていない?!
半信半疑で近づいてみると、まさにその通り。
それに、そこにはもう一つの驚きポイントが。
なんと、自転車にはブレーキも何も付いていなかったのだ。

「トラック競技用の自転車にはブレーキがないんですよね。プロの競輪選手たちが乗っているのも一緒です。あ、もちろんこれとは値段が全然違うんですけどね(笑)。それに、靴の裏面をペダルにくっ付けているので、止まる時は徐々にスピードを落としながら走って止めます。」

ブレーキがない自転車に乗るなんて恐ろしい…と一人思いながら夢中で松尾さんの話を聞いていると、吉川さんの競技が始まった。

■新人だってバリバリ頑張っています。

親切な自転車競技部の皆様のお陰で、トラックの中に入って競技観戦!
吉川さんが出場した競技は1000mタイムトライアルで、タイムを競う試合となる。 近くでみるとそのスピードは思ったよりすごく、ただただ感心するだけ。

「プロだとこれよりもっと早いですよ。1000mを70秒で走ったりしますからね。」

ホント…人は弱くない。

今回、試合に出場した吉川さんは大学に入ってから自転車を始めたケース。しかし、今では自転車競技部にはなくてはならない期待の星!松尾さんによると、

「中では高校から自転車を始めたケースもあるんですけど、大学から始めた部員も結構います。自転車乗れるんだったら、練習と試合経験を積めば、誰でも出来ると思います。」

でも、自転車の練習と言ってもあまりイメージがわかない。

「週1回、朝から競輪場で2時間ほど練習をして、土日にはみんなで100kmぐらい走ります。雨の日とかは日吉でローラ台に乗ったりしていますね。それに練習だけじゃなくて、自転車は本当試合が多くて、毎週ぐらいのペースで試合がありますので、新人の時も試合経験出来る機会が多いんですよね。そうしながらどんどん上手くなっていくんですよ。」
新人ながら試合に出られる。
これも自転車競技部の魅力の一つ!

■長く太く!それが自転車競技部

その日、競輪場には後輩の試合を見守るために多くのOBが駆けつけていた。

今年の7月に引退した星野さんもその一人。

後輩たちに何か一言とお伺いすると。

「そうだな…長く!太く!頑張ってほしいですね。」

隣に立っていた松尾さんも「ホントですね。まさにそうですね。」と納得の様子。
なるほど。
きっと、この言葉こそが自転車競技部の精神を一番よく現している。


最後に、松尾さんに今後の目標について聞いた。
「自転車部の全体で言うと、やはりもっと部員がほしいですね。まだマイナーな競技ですけど、やっていてすごく楽しいし、部員も仲良いので、気軽に遊びにきてください。マネージャーさんも是非入ってほしいです。今は試合のタイム記録も自分たちでやっているんで(苦笑)。」

部員が少ないと心配気味になっていた松尾さんも、試合の話となると目が輝きだした。

「試合に関しては、今年インカレ(全日本大学対抗選手権自転車競技大会)に出場する目標を達成したので、次は全国制覇したいです。必ず優勝しますので、応援よろしくお願い致します。」

全国制覇を目指す彼らの気持ちと実力は、他のどんなメジャーなスポーツにも負ける気がしない。
来る12月2日には、花月園競輪場に足を運んでみるのはどうだろう。
少しマイナーなのかもしれないけど、そこには慶應と早稲田の負けられない戦いがある。

■関連リンク

慶應義塾体育会 自転車競技倶楽部

・入部希望者 連絡先:kensak@keio-bicycle.com
取材:鄭有眞
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