男子ラクロス倶楽部とは
まずは慶應義塾男子ラクロス倶楽部がどんなチームであるのか、広報を担当する内海拓也さん(ディフェンス/経済4)に伺った話を元に、慶應チームの分析をしたい。
■ 2007年度リーグ戦開幕!
国内ラクロス界学生部門において最も重要な試合であるリーグ戦が始まった。1部Aブロックにおける慶應義塾大学男子ラクロス倶楽部は、8月18日の開幕戦より2戦(対一橋大、対獨協大)を終え全勝。来る9月29日の第3戦は、一番のライバルであるという日本体育大学との試合。彼らにとって日体2大に勝つことはブロック内での首位獲得という目標に大きく貢献することを意味する。また、A・B両ブロックの上位2チームは関東学生代表として社会人も含む全日本選手権への出場権を手にする。
■ 慶應と日本のラクロス、チーム編成
実は、昨年度のリーグ戦優勝者である彼らは学生という壁を越え、結成当初より日本のラクロス界を揺るがす存在として君臨し続けているのである。塾内に当クラブが設立されて約20年、スポーツにしてはまだまだ歴史が浅く体育会の中では「新種目」という肩書きを持つ慶應義塾大学男子ラクロス倶楽部。一説にはラクロスの存在が日本で普及したのはちょうど当クラブの発足時であるという。(ウィキペディア調べ)また、高校の部活動におけるラクロスの普及率はまだまだ低いため、約半数が慶應義塾高校時代からの経験者により構成される彼らは、まさに日本ラクロス界の中枢を占める存在といっても過言ではない。
また、メンバー半数が高校時代からの経験者であるという現状もさながら、大学初心者でレギュラーの座を獲得する選手もいるという。「そういう選手が経験者を凌いで、驚く程の腕を身につけて実力を発揮することもある」とのこと。また、実力主義で腕があれば学年に関わらずレギュラーに選ばれることもしばしばあるところも強さの秘訣であるようだ。
■ 台風直撃がもたらした悲劇
日吉へ向かう道中、早朝から多摩川の河川敷で練習に励む彼らの姿を目にしたことがある人は少なくないのではないだろうか。彼ら慶應義塾大学男子ラクロス倶楽部は、これまで丸子橋下のグラウンドを主に利用し練習をしていたが、先日台風9号が首都圏を直撃した際に多摩川が氾濫し、グラウンドには亀裂が入り、備品が流されるなどの被害を受けたとのこと。慶應ジャーナル取材陣が訪れたのは葛西臨海公園近くにある「江戸川区臨海球技場」で、現在平日はここを利用し、休日は空いているグラウンドを随時見つけて試合前の練習に励んでいるという。
対日体大戦へ向けて
■ 試合への意気込み
9月29日に迫った日本体育大学との第3戦は、慶應義塾大学男子ラクロス倶楽部にとっては重要な試合の一つである。チームをリードする選手たちの中から副将・倉本正幸さん(アタック/経済4)、関根幹祐さん(ミッドフィルダー/経済3)に試合への意気込みを伺った。
倉本さん 「日体大戦が一番大事な試合です。15点取ることを今のチームの目標にしているので、次の試合でも15点取って、準決勝、決勝と進んでいきたいです」
関根さん 「日体大は運動能力の高いチーム。走り勝つラクロスの相手として、いい対戦相手だと思います。でも20—10で勝ちます!」
■ 主将へインタビュー
80人ものプレーヤーをまとめる主将はどんな塾生なのだろう?坂野恒平さん(ディフェンス/経済4)は練習直後の炎天下、快く取材に協力して下さいました!
―‘運動量’を意識して練習しています。ポジションに関係なく全員がゴールを目指していて、どこからでも点を取れるようなチームにしていきたいです。
―同じブロック(Aブロック)にいるチームの中では日体大が最も慶應のライバルとなる可能性があるので、日体大戦はブロックの中で一番の山場です。しかし学生の中では優勝して当然だと思っているので、社会人も参加する全日本での優勝を目指してやっています。
―点が多く入って、素人の人が見ても面白い試合にしたいと思っています。
―ラクロス部は創立20年と、体育会の部活動と比べるとまだ日が浅いので、いずれ歴史だけにとらわれない自由度を保ちながら体育会の一員となり、体育会を率先するようになりたいです。
―みんな経験してきたことも考え方もバラバラだからまとめるのは確かに大変ですが、なんとかなっています。確かにスケジュールを早く出さなければいけないとかもありますが( 笑 )。 それぞれの良さを引き出すためにうまく運営し、いい環境を作っていきたいですね。主将はみんなの背中を押すのが仕事です。
―ラクロスは(日本ではまだ)新しいが見ていて面白いスポーツです。慶應と強豪チームの試合を一度見てもらえればきっとその楽しさがわかると思います。絶対損はさせないので見に来て下さい!