2003年春、メディアコミニュケーション研究所の公開講座履修生が結成
ドキュメンタリー映像を鋭意製作中
7月8日(火)に日吉J11教室で行われるTeam522による新入生へ向けたイベント
Re-Debut
その内容は
1.課外活動に力を注ぐ3人の塾生に焦点を当てたオリジナルドキュメンタリーの上映
2.体育会、サークル、NGO団体と、あらゆる方面の団体代表者によるスピーチ
3.ブースを設けての新入生への個別説明会
の三部構成で、いわば第2のオリエン期間を勝手に作ってしまおうという試み。この全新入生へ向けた大イベントの企画、運営は、すべて、たった9人の手によるものである。
その9人とはTeam522という今年結成されたばかりの集団
彼らの間にこのイベントに至るきっかけが持ち上がったのは、去年の冬、十二月のことであった。彼らの出会いは、メディアコミュニケーション研究所のある公開授業。彼らはその履修生仲間。授業ターム終了後も頻繁に飲み会、果ては一般教養科目なのに合宿まで行い親睦を深めた。
「これで終わっちゃうの、つまんないね。」
誰かの口から不意に出たそんな言葉に、授業を担当していた水元豊文助教授はこう返した。
「じゃあ、ドキュメンタリーでもとってみたら?」
この一言が、九人の塾生魂に火をつけた。
今年の二月には合宿を行う。メンバーの一人の実家の寺で行われた。通称寺合宿を通じて、TEAM522は本格的に組織としてその活動をスタートさせる。
しかし現在に至る道のりは決して平坦なものではなかった。
ドキュメンタリー制作に関してはメンバー全員が全くの素人。入門書を手にとって1ページから読み始めた。カメラワークも編集も手探りの状態で、ドキュメンタリー番組を何度も何度も見返した。そして、やっとの事で作った試作品。
それを、水元助教授の紹介でテレビ局などに勤めるプロに批評とアドバイスを受ける。結果はボロクソ。途中まで進んだ企画が、再び振り出しへ。落ち込むメンバー。しかし、彼らは再び編集と取材に取り掛かる。
何が、彼らを映像の完成へと走らせるのだろう。
彼らに聞く。
―ドキュメンタリー製作の魅力とは?
今という時代に生きた人が、がんばっているから流した本物の涙や汗を、映像にして多くの人に伝えて残していけるってところですね。
そして、彼らはその映像に託した思いを、イベントという形で結実させる。それが、今回の「Re-Debut」。
しかし、企画が正式に決まった後も苦労は続く。機材さえも無い彼らにとって、頼るは図書館。毎日朝一で数少ない機材を確保する。思うように捗らない作業。無名の彼らのインタビューに応じてくれない塾生。地道に知り合いを当たる作業と、そのたびに変更される構成。彼らの行く手には何層もの壁が立ちはだかった。
そんな焦りと苛立ちを会議の中で激しい議論を交わして率直にぶつけ合った。
そして数々の紆余曲折を経て今、彼らTEAM522の九人の若者は今回の新入生へ向けた一大イベント開催に漕ぎ着けたのだ。