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塾生インタビュー #36
■学生投資クラブgenesis
 代表 :小林祐馬さん(経2)
 副代表:名取大輔さん(商2)
学生投資クラブgenesis 代表 小林祐馬さん・ 副代表 名取大輔さん

「東大生が書いたやさしい株の教科書」という本をご存知だろうか?東大の投資クラブのメンバーが出版した株の入門書だ。そして、昨年12月この本の同じシリーズとして、「慶應生が書いた『株のすすめ』」が出版された。この本は、慶應生が中心となって構成されている学生投資クラブgenesisによって書かれた初心者向けの株の入門書だ。学生投資クラブgenesisは一昨年の11月に私立海城高校の同期の仲間で結成された投資団体で、投資活動や株を多くの人に広めていく活動を行っている。彼はどんな思いでこの本を書いたのか、読者に向けて何を伝えたいのか。今回は当団体の代表である小林祐馬さん(写真右・経済学部2年)と副代表である名取大輔さん(写真左・商学部2年)にお話を伺った。

■学生投資クラブgenesis
http://www.genesis6.com/



■投資とgenesis

―お二人が投資に興味を持ったきっかけは何ですか?
 1年前にたまたま本屋さんに行って、「東大生が書いたやさしい株の教科書」を読んで、株に興味を持って株式投資を始めました。(小林)
 父親が元々株式投資をやっていたので、はじめから興味をもっていたんですけど、小林君と同じでたまたま大学1年生の春のときに書店で東大生が書いた株の本を見つけて、興味を持ちました。きっかけは小林君と同じですね。(名取)

学生投資クラブgenesis

▲代表:小林祐馬さん(経済学部2年)

―genesis設立の経緯を教えてください。
 最初は僕ともう一人のメンバーと一緒に投資クラブを立ち上げようとしていて、メンバーを探していました。その前から、名取君も投資クラブをやりたかったので、探しているうちに高校のときに同じクラスだったので一緒に集まろうという話になりました。一昨年の11月あたりにメンバーが5人集まったのですが、あとから1人加入しました。慶應生5人と東大生1人で構成されているのですが、共通点は私立の海城高校の仲間だということです。

―高校のときの友達で設立したということは、高校時代から仲良かったってことですか?
そうでもないです(笑)仲のいい人もいたし、そうでもない人もいました。高校のときから一緒にいた仲間というわけでもないです。しかし、同じ高校ということで、親近感というものが湧きました。

―普段はどんな活動を行っているのですか?
普段は、週1回の勉強会を開いて、それに向けて1週間準備をしていくということを行っています。例えば、投資の本を1冊読んできてプレゼンターが発表するということを行ったり、月1回銘柄選定を行って一つの銘柄を選んで、実際にその投資銘柄を買うという活動もしています。また、上場企業の社長さんであったり、上場していない社長さんであったり、その人たちから本から得られない知識を得ようとして積極的に訪問を行ったりしています。

学生投資クラブgenesis

▲副代表:名取大輔さん(商学部2年)

―genesis設立以前に投資を行ったことはありますか?
 僕は8月に東大生の株の本を買いまして、11月までの3ヶ月間少しだけやっていました。(小林)
 僕はやっていませんでした。これから自分で個人投資を始めようと思っています。(名取)

―これまでにどんな銘柄に投資を行ってきましたか?
三菱商事、エスフーズ、アサヒビールなどですね。運用期間は基本的に中長期で行っておりまして、株価指標やファンダメンタルズ分析、景気全体の動向などを重視しています。一般的には、ファンダメンタルズ分析を見ています。

※運用期間:投資を続けていく期間のこと。短期や中長期などが存在する。
※株価指標:株式投資を行う上で「その銘柄の株価は割高か割安か」ということを、他の銘柄と比較して相対的に判断するための評価基準。
※ファンダメンタルズ分析:株を購入しようとする企業の実績や内容を把握すること。一方で、移動平均線や株価チャートなどをもとにその企業の株価を予測する方法として、テクニカル分析がある。

■「慶應生が書いた『株のすすめ』」の出版

―昨年の12月に「慶應生が書いた『株のすすめ』」の出版に至った経緯を教えてください。
 僕たちが投資を始めた理由は、東大生が書いた株の本を見たのがきっかけです。僕たちも初心者の方が株のきっかけになるようなものを何か作りたいと思い、本を書きたいと思いました。東大生が書いた株の本を書いた人たちにアポを取り、それを出版者の人たちにつないでもらって、このような形に書きたいと言ったら、熱意が認められて書くことになりました。

―同じシリーズで「東大生が書いた『株の教科書』」という本がありますが、違う点は何かありますか?
 その点については、かなり意識しました。まずは、ストーリー性を排除して、基本的な情報を抵抗感なく受け入れるようにしました。つぎに、今までの本は銘柄の理論だけ説明していたのですが、実際にどうなっているかについては触れていなかったため、僕たちの場合はあえて1章を設けて、実際の銘柄や動きを使って増資が行われたケースを見てみるという形で、理論と実際ということをリンクさせたような本にしました。最後に、1年間クラブみんなで投資をしてきてわかった面白さを伝えたいと思いました。投資の面白さを東大生の本よりも意識して、「みんなでやると楽しいんだ」ということがわかるような構成にしました。具体的には、登場人物の数や立場も違いますし、企業訪問をしたインタビューも入れてあります。例えば、ファンドマネージャーの方には2人インタビューして、投資のコツみたいな心得を聞いてきました。

※ファンドマネージャー:投資信託や年金などのまとまった資金を、どの株式や債券などに投資するか決定を行う(運用する)専門家。

学生投資クラブgenesis

―個人投資よりもチーム投資にこだわる理由は何ですか?
 理由として3つあります。まず一つ目として、今までは個人で銘柄を選ぶという孤独な作業を行ってきたのですが、僕たちはみんなで選ぶことによって、様々な議論をしていく中で銘柄を選定していきました。ということはつまり、銘柄を選ぶ過程にも楽しさがあるということです。つぎに、忙しい方にお薦めしたいのですが、一人で銘柄を選定していくと、情報を集めることなど、とてつもなく膨大な時間がかかってきます。しかし、genesisみたいに6人いれば単純計算して、6分の1の情報を得ればよいということになるので、投資をする上でも、ものすごくメリットがあると思います。さいごに、投資以外のこともできるということで、チーム投資という意味を込めています。例えば、会社訪問などのように、個人ではできなかったことがみんなでできるということで、メリットがあると思います。

―小林さん、名取さんはそれぞれどのパートを担当しましたか?
 最初は章ごとではなく、各トピックに分けて5等分にしていました。そのあと、修正を何回か行い、そのときはみんなで指摘し合いました。最終的にはみんなで全章に渡って関わっているという形です。そこも東大生の本とは違う点で、東大生の本の場合は章ごとにそれぞれ担当しているのですが、僕たちの場合は章の中でそれぞれ振り分けて、みんなで指摘し合っています。その意味で、みんなでやったので、章ごとの整合性は取れているのではないかと思います。

■「慶應生が書いた『株のすすめ』」の出版を終えて

―本を書いているときに楽しかったことは何ですか?
 みんなで合宿とかよくしたんですが、みんなと戯れる時間があったのが楽しかったです。あと、僕たちが社会的に影響を与える初めてのことだったので、いかにして影響を残せるかということを考えながら書いたのも楽しかったですね。(小林)
 最初は、みんなそんなに仲良くはなかったのですが、本を書いたあとで仲がより一層深まって、その過程で一緒にごはんを食べたり、泊まったりしたのが楽しかったですね。(名取)

―逆に、苦労したことは何ですか?
 自分がいいと思っていたものが、プロの目から見たら全然ダメだって出版の1ヶ月前に言われて、1ヶ月前に修正を強いられたときの精神的なプレッシャーがつらかったですね(笑)(小林)
 5人で書いた分、コンセプトを統一するのがものすごく大変でしたね。大きいところでも議論しましたし、些細なところでも議論しまくったので、そこがとても大変でした(笑)個別のことを決めるよりも、大枠を決めるのが大変でした。(名取)

―本を読んだ読者に期待することは何ですか?
 株の初心者の方に株式市場に参加してもらって、株の面白さを知ってもらいたいですね。また、今の労働者はどんどん搾取されているので、将来的に40歳になって1000万もらったとしても、現在価値の300万くらいなってしまいます。株をやっていると、資本家になれるので、多くの労働者が資本家になれる唯一の機会は株だと思います。なので、どんどんやってもらいたいと思っています。(小林)
 僕は、特にこの本は大学生に読んでもらいたいですね。学生のときから投資していくのは勉強になりますし、どんどん投資するべきだと思っているので、マーケットに積極的に出てほしいと思っています。(名取)

■今後のgenesisそして、小林さん、名取さん自身について

学生投資クラブgenesis

―今後のgenesisの目標を教えてください。
 僕たちが今議論しているところなのですが、究極の大きい目標は市場参加者を増やして、それが目に見える形で、genesisが参加者を増やしたといわれるような組織にしていきたいですね。小さい目標では、自分たちが成長できるような場になればいいのではないかと思います。

―このgenesisを通してお二人はどう成長していきたいですか?
 僕たちは投資クラブなのですが、いろんな意味でgenesisを通して投資をすることの重要性がわかってきました。genesisは遠慮なく議論ができる場なので、議論のスキルをさらに向上させることができ、このスキルを投資などに関わらず普遍的に使えるようになると思っています。僕は将来政治家になろうと思っているのですが、政治家は議論が欠かせないと思うので、このgenesisを通して理想の自分に近づければいいなと思っています。(小林)
 僕は、大きく3つに分けて、株式投資に関する成長、組織を運営する上での成長と、人としての成長を得てきたいですね。株式に関する成長については、僕は正直投資に関してはそこまで強くはないのですが、これからgenesisを通してどんどん投資スキルを身につけていきたいですね。組織をやっていく上での成長は、もっと激しく議論をし続けてしっかりやっていきたいと思います。人としての成長については、経営者になっていろんな刺激を受けていきたいですし、周りの仲間からも受けていきたいですね。(名取)

◆「慶應生が書いた『株のすすめ』-入門の入門-」

著者:学生投資クラブgenesis(http://www.genesis6.com/)
出版社:インデックスコミュニケーションズ
価格:1575円(税込)
発売日:2005年12月15日
目次:
第1章  株のイロハ
第2章  お勉強タイム
第3章  投資の上昇スパイラル
第4章  みんなで株にカブりつけ
第5章  みんなで楽しむ株




聞き手   小竹秀明



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