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塾生インタビュー #23
■学生ビジネスコンテストKING・2004代表
 宝本龍吾さん

「大学生のためのビジネス版甲子園・KING2004」

KINGは今年で9回目を迎え、宝本さんは9人目のKINGの代表である。合宿形式で,見ず知らずの学生と一緒に一つのビジネス課題に取り組むKINGは毎年,参加者から非常に高い評価を受けている伝統あるビジネスコンテスト企画である。KINGの合宿を「自分の興味に気づく場」として,活用して欲しいと熱く語る宝本さん。

7月7日(水)のKING2004の申し込み期限を直前に控えインタービューとして,KING2004の特徴や,「オヤジの会社を買収したい」という宝本さん自身の夢などを伺った。

#KING2004の申し込み方法,選考課題は一番最後に記載



■KINGとは「大学生のためのビジネス版甲子園」である。

KJ:KINGってなんですか?
KINGは1996年、「大学生のためのビジネス版甲子園を作ろう。」という想いから始まりました。学生たちの就職活動がそもそも、実際のビジネススキルからかけ離れてエントリーシートと履歴書を出して、受かれば面接に行くみたいな感じになっていました。それだけで学生たちは正当な能力で判断されているのだろうか、という疑問を感じて、ならば学生たちが実際のビジネススキルを発揮でき、正当に評価される場、いわゆる「ビジネスの甲子園」を作ろうということがKINGの始まりでした。そういうわけで、KINGは毎年の夏にビジネスコンテストを開催していますが、ビジネスコンテストを開催するための団体ではありません。学生と社会の関わり方の一つとして、「ビジネスコンテスト」という方法を選んでいるだけで、コンテスト開催が目的ではないですね。現に、9年にも年月が経つと社会も、KINGに参加する学生の意識や学生を取り巻く社会状態も変わったし、昔に比べればインターンなどで学生が社会と触れ合う機会も多くなっているので、これからもKINGはどんどん変わっていくと思います。

■KINGは「コンペ」じゃなく「コンテスト」である。

KJ:宝本さんがKINGのスタッフになったきっかけは?
大学に入ったらビジネスに関する勉強をしたいと思っていたので、その関連のサークルを探していた時に、KINGが所属している団体であるWAAVを見つけました。初めは、普通のサークルに入る気分で説明会に行って、ミーティングに参加してみたり先輩に交流会などに連れて行ってもらって、これは面白そうだなと感じたので、やってみようと思いました。

KJ:スタッフ1年目の仕事は?
1年目に私がやった作業は、「ケース」と言って、コンテストのテーマを決めたり、それに関する情報を集めたりする仕事でした。KINGのスタッフは殆ど1、2年生が中心になって構成している反面、参加者には3,4年生の方が多いので、コンテストの内容を相手に納得してもらうためにはやっぱりスタッフも様々な勉強や情報収集をしなければならないですね。

KJ:コンテストのテーマを一つに絞る理由もそこにありますか。
そうですね。参加者の疑問や質問に対しスタッフがしっかり答えたいので。でもそれだけではなく、テーマを絞らないとやっぱり「コンテスト(contest)」ではなく「コンペ(competition)」になってしまうと思ったからです。どれだけ良いものが出来て、ビジネス的にいくら儲かるのかなど、結果を中心に考える「コンペ」ではなく、みんなが同じ出発点から始まって、そこからどんな過程を踏んで、誰が一番目標に近づけるかを争う「コンテスト」をやりたいので、テーマを一つに絞る形になっています。

KJ:今まで、コンテストの中で一番印象深かった部分はなんですか。
去年のコンテストの最終日の思い出ですね。最終日には社会人の方々が来て審査を行うのですが、私は運よく審査員にずっと同行していて、すべての審査の過程を生々しく見ることが出来ました。その時に、自分たちには想像も出来なかった部分から問題点を指摘されたりして、色んな事を感じ、学ぶことが出来たのがとても印象に残っています。その中で、来年はもっと良いKINGを作りたい、と思いましたね。それで今年、代表にまでなってしまいましたが(笑)。


■6泊7日の合宿を「最初の1歩」として活用して欲しい


KJ:今年のKINGについて
今までのKINGは、少し実現の可能性が低かったと思います。テーマの設定であっても、現在の問題より仮想の問題である場合が多かったですね。例えば、99年のテーマだった「(30年先までの)エコカーの販売戦略」とか、97年の「DVD販売戦略」など、未来ケースのテーマが多かったので。しかし、昨年からはまずターゲットを大学、大学院生においたりすることで、もっと現実性を高めようとしています。
参加者もどんどん幅広くなってきていて、地域で言えば北海道から九州まで、大学で言えば理系の大学や文系の参加者も増えているので、色んな人が集まって楽しくビジネスを考えられると思います。ちなみに一番参加者が多い大学は慶應です(笑)。
KJ:今年の参加者に言いたい事は?
大学に入って、何がやりたいか分からない人、またはこれから何をすればいいか分からない人たちが多いと思いますが、そういう人たちがKINGに来て、自分自身に挑戦してほしいですね。6泊7日間、積極的に動いて、結果的には自分がどこに興味をもって、本当にやりたいと感じた事は何か、というのを見つけてくれればうれしいなと思います。要するに、KINGを「気付く場」として「最初の一歩」を踏み出してほしい。そのための環境やある程度の目標(コンテストの優勝など)はスタッフが提供します。そして、出来るだけのサポートもします。たとえば、毎晩、スタッフがチームごとの進行状態などをチェックし、質問に答えたり、アドバイスを出したりする作業がありますが、こういう様々なサポートを出来るだけ提供したいと思っているので、コンテストの期間中には特に、参加者たちもスタッフたちもプロ意識を持って最善をつくしてほしいですね。

KJ:気になる審査基準!
ビジネス的なレベルが高い人々にもぜひとも挑戦して欲しいですが、6泊7日間のKINGを楽しんでくれる人々に来てもらいたい思っています。残念ながら、詳細な審査基準はまだここでは明かせないですね。


2004年度KINGのオフィシャルサイト
http://www.waav.org/king/

■KINGの活動を通して,今の若者が頑張っている姿を日本中に伝えたい


KJ:宝本さんはKINGを通じて何がやりたいですか。
世の中の人々に「今の大学生、こんなに頑張っています。」と証明してみせたいです。今の大学、大学院生には頑張っている人も多いにも関わらず、「今の若者は…」と誤解されている部分が多いと思います。そういう部分をKINGで改善できればいいと思いますね。例えば、地域のおばさんやおじさんたちがKINGを見て、全国の頑張っている大学生に出会ったときにこんなに頑張っている学生たちのためにミーティングスペースを作ってあげようかと思ってくれればいいなと思っています。

KJ:KINGで自分が得たものは何ですか。
色々あると思いますけど、自分の信念が正しいかどうかを判断するのは他の誰でもなく自分自身だということです。そして、その自分が正しいと判断した信念を、みんなの前で言い切る勇気というものです。やっぱりこういう活動の中では色んな人が集まって議論をする事が多いですが、その時、自分が言いたい事、やりたい事をちゃんと言える勇気が必要だと思います。そういう部分をKINGを通じて、得ることができましたね。


■将来の野望は,オヤジの会社を買収する事!

KJ:宝本さんの夢は何ですか。
私は小さい頃からの夢があって、それは「住宅販売のCMに出るような家を持ちたい」いわば、幸せな家庭を作りたいということですね。幸せの基準は僕の基準ですが(笑)。そして、野望は何ですかって聞かれると、「親父がやっているリボン事業を買収したい」つまり、「親父を買収したい(笑)」ということです。最近の「リボン」というのは正直にラッピングのお道具に過ぎなくて、プレゼントを開けたらそのままゴミ箱に入れられる物ですが、それを自分が全然違う観点から考えて、そのリボンで何かが出来るようになれればうれしいなと思います。ですので、企業に就職するよりは、起業をしたいですね。

KJ:最後に、宝本さんにとって人生で一番重要なことはなんですか。
人生を精一杯「楽しむ」ことですね。高校生の時からずっといかに楽しむかを考えてきましたので、たとえ明日死んだとしても、後悔はしないと思います。


■学生ビジネスコンテスト「KING」
http://www.waav.org/king/

【申し込みページ】
http://www.waav.org/king/entry/mail.cgi



【選考課題】
今、あなたの手元に携帯電話はありますか?
最近の携帯電話の発達には目覚しいものがあり、日々様々な機能が増え続けています。しかし 、それらはどれも独立していて有効に使われていないのではないでしょうか?そこで今ある機能を組み合わせて活用し、新しいサービスを考えてください。

以下の携帯電話機能の内、二つ以上を組み合わせて、新しいサービスについて1000字以内で述べてください。

高速インターネット接続
テレビ(+録画、再生)
ラジオ・音楽プレイヤー 
スケジュール帳
メール(写真、動画、音楽も送れます)
ボイスレコーダー
電子マネー
赤外線通信(リモコン等)
指紋認証
ゲーム(アプリ)
GPS
着信音
通話・留守番電話
カメラ(写真、動画、バーコードリーダー)
外部メモリー(SDカードなど)
バウリンガル

ただし、サービスを説明した上で、以下の点に必ず触れてください。
・ ターゲット(顧客)とニーズがあるという根拠 
・ サービスの特徴と既存のサービスとの差異   
・ どのように利益を得るか

*この選考課題、および提出していただいたプランの著作権はKINGに所属するものとします。



取材   ジョン・ユジン
吉川英徳



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