「うちは今営業みたいなことは一切してないです。」インタビューはこんな意外な言葉から始まった。新たに顧客を獲得するために単純に思いつくこととは、営業をするということである。経沢さん自身、リクルート時代はいわゆる飛込みを始め数々の営業を経験してきた。しかし、現在の会社ではそのようなやり方をとっていないという。 「有名な経営者の言葉で、一人の人間の周りには250人の潜在顧客がいるっていう言葉があって、つまり誰にでもそれだけたくさんの潜在顧客がいるのだから、その人のために最善を尽くすと250人までは紹介してもらえるっていうそういう理論があります。 だから私が経営のときに心がけているのも結局そういうことで、その一人一人のお客さんとか満足度を最大限に高めれば、営業をする必要がないと思っています。うちは新規のお客様はいらっしゃいますが、ほとんど新規開拓はやらないやり方を通しています。もちろん最初はお客様がいないと駄目なのでがりがり営業しましたが、今の営業方法は違う方法です。」
またそれは社員のモチベーションの問題も解決しているという。「頭下げて営業していると自分の人間としてのレベルが低くなったように感じてしまう人が多くて・・・。もちろん、本当は違いますが(笑)。お客様もお願いだからやってくださいといわれると、仕方がないからやってあげるよという感じで、こっちはお願い営業だからその後の取引も、『じゃ値引きしてくれるのでしょ?』みたいな感じで対等なパートナーとしての仕事はできない。そこにエネルギーを注ぐと仕事はつまらなくなるし、私たちのもっている、いいサービスを必要としている人に使って頂いてお互いをハッピーにしていくほうが仕事として正しい、と私は思っています。」
そんな経沢さんの学生時代はスカッシュを抜きには語れない。中高と受験校にいたため、あまり運動に真剣に取り組む機会がなかった。大学では何かスポーツをと考えていたときに出会ったのがスカッシュだった。「一番になれそうだから」というのが選んだ理由。「みんなテニスとか始めるじゃないですか。でもテニスって高校のときからやっている人がいるから、今からやっても勝てないなと思って。スカッシュは誰もみんなやったことないからやればやるほど上手になるから、はまっていました。」事実全国大会のランキングにも入っているというのだからすごい。「ほとんど毎日、朝練をやっていました。その頃自由が丘にスポーツクラブがあって、そこでみんなやるんですけど、私は松戸に住んでいて、松戸から自由が丘に早朝の始発電車でいって、スカッシュやって2限から授業に出ていました。で、夕方はアルバイトというすごい激しい学生生活だったと思いますよ。一日をフル活用していましたね。」
そんな忙しい学生生活の中、授業で一番印象に残っているのは金融資産市場論だとか。「その時はあまりビジネスとかわからず、彼らが使っている単語も理解できませんでした。でも今は一番聞きたい授業ですね。吉野先生があのように外部のビジネスマンを塾生に触れさせようとする姿勢が、今考えるとすばらしいです。」
最後に,大学時代を過すうえで重要なことはありますか?
「まず、動く!」ことだと思います。すべて自分なりに行動してから考える。考えてから行動するのでは遅いと思っています。
また、月並みですが「多くの人に出会い,人を知ること」も重要だと思います。その結果、
脳を活性化する。いろんな本や人に触れることで,多様な価値観に触れ,「自分という存在」を確立する貴重な時間だと思っています。
―経沢さんが考える優秀な人材とはどのような人なのでしょうか?たとえば、採用活動において人を見るときのポイントだとか?
「経営者として優秀と、会社員として優秀とでは違うと思いますが,根本して共通して優秀だなっと思う人は、素直で学習能力が高い。素直っていうのは絶対大事で、聞く耳がちゃんとある人。どんなにアドバイスをしても、聞く耳を持たない人は駄目ですよね。でもちゃんと聞く耳を持てる人は何を見ても勉強できる、自動学習できるのよ。だから素直で学習能力が高い人は、もう無敵だと思う。周りの人がどんどん教えてくれるし。本当に成長しつづけて成功すると思う。 あともし具体的にもう少しいうとしたら、ビジネスだができる人に共通していることは、実行力があって読書家だっていうことかな。」
―読書家というのはなぜでしょうか?
「みんな課題ってありますよね、生きていくうえで。それって自分で解決していかなければいけない。それぞれの悩みって違うし、今恋愛のことで悩んでいてすごくへこんでいるかもしれないし、いろいろあると思うんだけど、たぶんその悩みを解決した人が本を書いていると思うのね。解決したって言うか、経験やいろんな苦悩とかが文章に表れていてそれを世の中に広めたいとおもっているわけと私は感じます。だから今自分が考えていることの解決策っていうのは必ず本屋にあるのでは。自分でそのタイミングでその必要な本を体に栄養を取り入れるみたいにちゃんとみつけて読める人はすごくいいとおもう。そういう習慣がある人は。結局成長し続けることと私は思います。」
経沢さんお勧めの本:『幸せ力をつけるお金持ち練習帳 沢木遥』
「女の子の幸せって今まで二つしかなくて、専業主婦か働く主婦。そうではない新しい第3の生き方として、自分の好きなことをして、社会とも家族とも対等でハッピーな人生は自分で小さくても、起業することだとこの本には書いています。私が世の中に伝えたいことを、女性起業塾の生徒が書いてくれたのだと思うくらい、生き方と真剣に考える女性にはとてもお勧めです。」
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