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塾生インタビュー #14
■国際関係会IIR

今年もIIR(国際関係会)による、「派遣」の募集が始まった。スペイン、トルコ、オランダなど様々な提携大学の短期プログラムを、現地の学生らと一緒に体験することができる。その「派遣」の魅力とはどこにあるのか、IIRの派遣担当役員渡辺さんと吉浜さんに話を伺った。

【派遣についての詳しい情報はこちらから → http://www.keio-iir.org/



■10カ国、30人が集まる短期国際交流プログラム

―まず始めにIIRの「派遣」というのはどのようなものなのでしょうか?

吉浜:IIRは福利厚生機関に属してして、塾生がおさめている自治会費の中から補助金を得て活動しています。その代わりとして一般塾生を海外の国際交流プログラムに参加する機会を提供しているんです。またIIRは海外の提携大学から毎年春と夏の2回、日本に学生を迎えているんですが、それとgive&takeの関係で日本から海外に学生を送る、その送るほうのことを「派遣」とよんでいます。

渡辺: give & takeというのがどういうふうに成り立っているのかというと、海外の提携大学にIIRのような学生団体があるんです。そして日本でプログラムを開くときは、向こうからきた学生に対してプログラムの参加費というのをこちらで負担しているんです。それは美術館などにいったときにかかる費用だったり、滞在中泊めてくださるホストファミリーを探すことをさしているのですが。その代わり僕たちが向こうの外国にいった場合は、泊まるところの手配をしたり、食事なんかをまかなってもらうというふうにやっているんです。航空費は別ですが。IIRはその仲介役として機能しています。

―今回の募集はどこの国にいくチャンスがあるのでしょうか?

渡辺:アメリカのスタンフォード大学、スペインのエサダ大学、スウェーデンのヨーテボリ大学とルンド大学、あとはトルコのマルマラ大学、オランダのグローニンゲン大学、ハンガリーのブダペスト経済大学、ポーランドのワルシャワ経済大学の全部で8校ですね。2月から5月にかけて、だいたい春休みにいくことになります。期間は約一ヶ月のものと、一週間程度のものがあります。


―その期間どんなことを体験することができるのでしょうか?

吉浜:トルコでは、向こうにベンツの工場があって、ベンツの工場見学をしたりだとかパーティーをしたりだとか。

渡辺:スタンフォード大学は除くんですが、海外のプログラムはインターナショナルウィークと呼ばれていて、海外の提携校は主に企業から援助金をスポンサーからもらっているところが多いので、そのスポンサー企業に訪問することが多いです。

―いろんな国がラインアップされていますが、言語や治安については「派遣」される人の中に不安な人もいると思いますが?

渡辺:「派遣」では、だいたい10カ国くらいから30人ほどの人数が集まるんですが、向こうでのプログラム中の言葉は全て英語なんです。また治安についてですけど、現在の派遣提携大学は、こちらの提携校の中でも向こう側の様子が知れたり、治安状況がいいところに一般の塾生にはいってもらうようにしています。まだ治安面やプログラムの内容面で不安があるところは部員が調査という形でいくような仕組みになっています。


―やっぱりある程度英語はしゃべれないと駄目ですよね。

吉浜:度胸しだいですかね(笑)

渡辺:しゃべれるにこしたことはないんですけど、向こうの人たちもヨーロッパとはいえ母国語ではない人が多いので、あまり上手くない人もいたりするんですよ。実際に選考のときに英語の質問もしますが、流暢に話せる必要はないです。あまり語学力に比重を置くことはありません。

■様々な国の学生と触れ合うことができる。それが「派遣」の魅力

―海外への観光旅行や短期留学と何か違いはあるのでしょうか?

吉浜:やっぱり純粋に国際交流を楽しめて、ただ単に旅行するだけじゃなく現地の学生に積極的に関わっていけるというのが魅力だと思います。普通の旅行会社が提供している旅行とかでは得られない経験ができる、より現地の生の文化に触れられるのが「派遣」の特徴だと思います。

渡辺:普通に旅行にいっただけではただ有名な建物とかみて、美術館にいってみてみたいな感じだと思うんですよ。でも「派遣」だとやっぱりいろんな国からいろんな考えを持った人が集まるので、その人の人生観とかもよく話してくれるんですよ。同じ年代だけど国が違うだけでこんなに違うのかということがわかったり、国は違うけどこういうところは同じなんだな、やっぱり同じ年代なんだなっていう強く感じたり。そういうことも話せるのがたのしいと思います。それにやっぱり一週間も一緒にいるので、つながりがとても強くなります。プログラムにいって帰ってきてからも連絡をとりあって、そのままずっと友達がつづいているって言う人はたくさんいますね。
吉浜:いろんな国の友達ができるっていうのは魅力ですね。


―実際に応募しようと思った人はどういうふうに手続きをすればいいでしょうか?

渡辺:HP(http://www.keio-iir.org/)に応募用紙のほうがあるので、それをダウンロードして自分で記入して、あとA4に1枚くらいの「申込むにあたって」みたいなのを、意気込みじゃないですけど書いてもらって、それを今回は郵送してもらう形になります。


―一番早い締め切りは?

渡辺:11月21日のスタンフォード大学です。他の大学は12月5日までとなります。



―最後に塾生に向けて一言お願いします。

吉浜:大学生は僕らに与えられて最後の自由なときだと思います。そういうときに海外の同世代の人達と会って、友達になり海外に輪を広げていくっていうのは将来きっと自分にとって大きな財産となって帰ってくるものだと思います。だから「派遣」というチャンスを使って海外にいくことで、あぁこんな人もいるんだと感じたりして自分の世界観が広げられるっていうのはすごい魅力です。

渡辺:大学に入る前にいろんな人にあって、大学に入ってさらに輪が広がっていくと思うんですけど、本当にその感覚で参加してもらって構わないんですよ。友達に会いにいく感覚でいってもらえば。



■新たな提携大学へのアプローチ


現在IIRの提携大学はおもにヨーロッパの大学が多い。IIRはより塾生の幅広いニーズにこたえていくため、現在中国やインドの大学との提携にむけて活動をしているとのこと。実際、渡辺さんと吉浜さんらは今年インドのPUNEという都市にある大学のプログラムにIIR部員として参加した。まだ組織的に安定していないことや、「僕たちは塾生に対して派遣先の紹介をしているだけなので。そのために治安というのはやはり重要で」というような理由により、まだ我々塾生がいくことはできないそうである。近い将来これらの国にもいくことが可能になる時がくるだろう。今後のIIRの活動に期待したい。




取材   南郷史朗



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