2002年秋、200人もの学生が一堂に会する関東学生将棋秋季個人戦の場において念願の初優勝。以降、着実に勝ち星を重ね、今年六月の春季大会で見事二大会連続優勝、その後の全国大会ではベスト8に輝いた。今月行われた秋季大会では惜しくも準優勝に終わったものの、全国への切符は確実に手に入れ、三度目の全国大会に挑む。
目標は?
「もちろん、出るからには優勝を目指したいですね。」
日本の王将を取りに行く。
小関健太さんが将棋を始めて指したのは10歳の時。将棋好きの父親が親子の交流を図って、健太さんを将棋盤の前に座らせた。
「はじめはほんと、遊びだったんです。」
しかし、その内に将棋の魅力にどんどんはまっていく健太さんを見て、「そんなに好きなら」と父親は彼を道場に行かせた。
折りしも時代は羽生名人ブーム。鮮やかに古株のプロ棋士を負かしていく若き天才棋士の姿は、当時から、大学生になった今でも健太さんに「全然手が届かない」という憧憬と、同じ将棋を指す者としての尊敬を抱かせ続けている。
「すごい対局はいくらでも見ますね。発想とかがやっぱ凄いです。羽生さんくらいのプロになると、定跡(注)の誰もわかってない部分を自分でひたすら研究しているんだと思います。そうして羽生さんとかが指したのが定跡になっていくんだと考えられますね。」
(注釈:将棋には何百という戦法があり、その中にさらに定跡という型が存在する。例えば有名な戦法に「四間飛車(しけんびしゃ)」というものがあるが、飛車と書かれた駒を次にどこに動かすかによって定跡は変わる。ちなみに「高飛車」という言葉は、始めに自陣2段の低い位置に置かれていた飛車が、敵陣に近い5段目に前進し高圧的な形をつくることに由来している。)
将棋にキャラクターは出るのだろうか。
「たしかにそういうのもありますかね。読みづらい人とかはいますね。予想しなかった手を指されても、まあしょうがないから、予想してたぞみたいな雰囲気を漂わせておかないと・・(笑)。」
小関さんの将棋に対して、仲間からは
「真っ向からぶつかるような将棋って言われますね。クネクネした将棋は苦手なんですよ。待てないだけなんですけど。自分の性格ですか?(笑)そうですね〜。やっぱり将棋と同じような感じですかね、真っ向からぶつかる方かもしれません。細かいことが苦手で。単純に単純にいく方が好みです。」