■ミスター慶應コンテスト2006 エントリーナンバー5
高橋輝臣さん(環境情報学部2年)

 ミスター慶應エントリーNo.5高橋輝臣さん、環境情報学部二年21歳B型。“50/50”(フィフティフィフティ)というバンド名でインディーズCDデビューするなど本格的な音楽活動をしているという。ミスター慶應ともなるとかっこよすぎて近寄りがたいイメージが先行しがちだが、果たして中身は?一見おとなしくクールに見える彼の素顔に迫った。


高橋輝臣さんのBlogはこちら
http://blog.livedoor.jp/takahashiteruomi/?blog_id=1943989


■ミスター慶應出場のきっかけ

「よろしくお願いします」と私たちに丁寧に挨拶した後、彼ははにかんだ笑顔でミスター慶應に出たきっかけを語ってくれた。
「広告学研究会の友達がいて誘われたんです。ちょうどバンド活動の宣伝になるかなぁって軽い気持ちで出たんですけど、運動会とかそういうイベントは恥ずかしくて無理だから1回やめようかとも思いました。」

恥ずかしがりやな彼はミスター慶應の企画にもまだ抵抗がありそうだ。
「携帯のゲームの“ときメモ”(*注1)の男版があって、それにキャラとして写真と声が出るんですけど、恥ずかしいですね。なんとなく醜態をさらしそうな気がするんですよね(笑)」

注1:「ときメモ」
一般名称『ときめきメモリアル』。1994年5月27日、コナミからPCエンジンSUPER CD-ROM2向けに発売された恋愛シミュレーションゲーム。『ときメモラー』(略して『メモラー』とも)と呼ばれる熱狂的なファンを集めた。『ときメモ』は一般略称。

■ミスター慶應出場のきっかけ

そんな彼がなぜ音楽活動という華やかな世界に足を踏み入れたのだろうか。
「初めて作曲をして音楽を始めたのは高校2年の時だけど、本当は音楽だけじゃなくて演劇とかいろんな方面のエンターテイメントをやりたいなと思ってたんですよ。エンタメは世界を変える力がある。ジョンレノンやU.S.A for Africaなど素晴らしいアーティストが今までに沢山の曲を残してきました。自分もそんなアーティストになれたらなぁなんてずっと考えていたんです。」

この彼の強い気持ちは実体験から生まれたものだった。
「7ヶ月〜10歳と、15〜18歳までアメリカのLAにいたんですけど、その時の周りの友達がほとんど韓国人だったんです。それで高校のとき、日本人をめちゃくちゃ嫌ってる韓国人の友達がいて、対立があったんですよね。集団的な喧嘩にまで発展しました。その時はなんでわかってくれねぇんだって思いました。日本国内で差別というものを受けた事が無かったので初めての経験ですごくショックでした。」
それは彼の作詞に顕著に表れている。

Now We Unit for the peace and love
重なる手 合わせて始まる
青空高く仰いでこ さぁデッカイ夢を描いていこう


■悔しさ、そして転機

しかしその華やかな世界への憧れは“恥ずかしい”という思いに阻まれ、なかなか実現できなかった。
「昔から人前にでるのがすごく苦手で、友達がダンスの講演とかで目立ってるのを観客として見ていました。でもすごくうらやましくて悔しくて。あと一歩なのになんで踏み出せないんだってもどかしかったですね。今じゃそんな自分がバンドやってるのも不思議ですね。」

その後個人的に作曲を続けていた彼に、大きな転機が訪れた。
「1年の秋に人前に出る訓練をしようとダンスサークルに入ったんですけど、そこの友達に誘われたんです。“バンド組むんだけど今メンバー探してるんだ。お前音楽やってるなら来いよ!”って。ラッキーだったんですよね。だってその出会いがなかったら今頃デモテープ作って売り込んでましたもん。運命・縁だったんでしょうね。」

■音楽とは・・・

今年に入りツアーも行い、夏休みは作曲・レコーディングに明け暮れるなど音楽活動に没頭していると楽しそうに語る彼。果たして“自分にとっての音楽”とは?
「そもそも音楽がないと不安になっちゃうんですよ。電車の中とか無音だと死ぬんじゃないかと思います。動悸とかめまいとか禁断症状まで出ちゃって。“やべー、オレ死ぬ”みたいな(笑)i-podが壊れたときが本当に悲惨で、耐えられないから壊れかけのCDプレーヤー引っ張り出してきたり、パソコンを背中にしょって聴いたりしていました。
う生活に欠かせませんね。そうだな・・・自分にとって音楽は“サプリメント”かな。」

■意外とノーマルな大学生?

週2日のバンド活動に加え、週3日ちゃんと学校に通っているという彼。大学生らしいエピソードも飛び出した。
「ちゃんと学校行っていますし、単位もとれてます。今まで受けた授業の中で一番面白かったのは先生が面白かったやつですね。いい意味で変態、話が面白い。生徒に向かって“ぶっ殺すぞ”っていうんですよ。まぁ僕が友達と話してたからなんですけどね。でもその後フォローがあって“なーんて、僕が独裁者だったらだけどね・・・”って付け加えるんですけど、教室中に冷たい笑いが・・・。あとは1年の春に数学の期末試験のために学校に残留したんですけど、翌日の肝心のテスト時間に起きられず、友達に“何で起こさねぇんだよ!”ってキレたこともありましたね。」

普段とても忙しそうだが、オフの日は何をしているのだろうか。
「ビールを飲んでますかね・・・(笑)普通の人よりはビール通ですよ!一番好きな種類はコロナ(*注2)ですね。人と飲むのも好きですけど、寝る前に一人でチー鱈(*注3)食べながら映画見て飲んだりもします。
そうそう、映画みるのも趣味です。実は韓流が好きなんです。アメリカで韓国人に触れてから目覚めちゃって。好きなのは“猟奇的な彼女”です、ホント普通なんですけど。“真夏のメリークリスマス”は本で読んだんですけど、映画よりそっちのほうが良いですよ。あと“頭の中の消しゴム”はずるいですよね。泣くように作っているようなもんじゃないですか。メッチャ泣きました!でも最後の部分は腹立ちましたよ!ああ、こうやって終わらせるのか!みたいな(笑)」

そう熱弁する彼の韓国好きは映画では終わらない。
「SFCで韓国研究会に入っています。でもアメリカにいたときの友達と話すのはずっと英語だったんで、全然韓国語わかんないんですよ。映画も全部字幕ですし。しゃべれるようになりたいです。しかもまだ実際には韓国に行ったことないから、行きたくて行きたくて。ベタなんですけど、キムチ食いたいです(笑)あ、ちなみに“韓流”は“かんりゅう”じゃなくて“はんりゅう”なんです。韓国のことを“ハングゥク”っていうから韓国語読みして“はんりゅう”っていうんですよ!」
韓流好きは本物のようだ。

注2:「コロナ」
メキシコ産の中で売り上げNo.1のビールメーカー、モデロ社の製品。ライトでスムーズな飲み心地が人気のラガービール。
注3:「チー鱈」
鱈のすり身を使用した食べ切りサイズのチーズかまぼこ。よく酒のつまみとして食べられている。

■理想の○○とは

最後に、音楽活動・私生活も順調な彼の理想の人物像を聞いてみた。
「すごく影響受けた人がいて、その人は国籍の関係でいろいろなつらい経験をしてきたそうなんです。でもその人は絶対に人のことを否定しないんですよ。僕もその人みたいにありのままを受け入れられる人になりたい。」

ちなみに女性陣が最も気になる理想の女性とは・・・
「うーんと・・・強いて言えば見た目は中島美嘉とかかな。でも外見には全然こだわりませんよ、それよりも中身がしっかりしている人がいいです。ちゃんと話を聞いてくれてそれに対する答えも返してくれる人。結局フィーリングが合うか合わないかですかね。あ、あと一緒に馬鹿なこと出来るかどうかも大事です!」

音楽について楽しそうに語る高橋さんの目は輝いていた。落ち着いた話し方とは対照的に口から出る言葉は「ミスターに出るからには1位をとりたい!」「アルバム曲を全部自分が作曲してやる!」など熱意に満ちていて、彼の内側で燃えるものを感じた。
その熱い思いが音楽活動での運を引き寄せたのだろう。きっとミスター慶應コンテストでもその強運を武器に活躍してくれるに違いない。


彼のサクセスストーリーは終わらない・・・。


≪関連リンク≫
高橋さんの所属するバンド50/50の公式HP:

http://www.50fifty.jp/



取材 村田公仁子・直江利樹



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