広告学研究会は毎年夏に、神奈川県の葉山海岸で海の家(キャンプストア)を運営している。名物企画だ。けれどもこの企画が、建物の建設から全て彼らの手作りで行われているということをご存知だろうか?実は毎年5月中旬から毎週末、彼らは泊まりがけで建設に励んでいるのだ。今年で広告学研究会のキャンプストアは50年を迎える。例年に増して気合いが入っているキャンプストアの建設・通称「ドカチン」に慶應ジャーナル編集部が潜入し、華やかな海の家の舞台側に迫る。
キャンプストアが設置される葉山海岸 (逗子駅からバスで15分程度)
KJ:合宿所長というのはどんな仕事をするんですか?
森田「家主みたいなもので、店を回している間、僕が一人で合宿所にいます。3年の他の役員はみんな海にいるから、合宿所は家で、海は役員にとってはバイト先みたいなものですね。合宿所長という仕事は、他の12人の役員にはない魅力があるんですよ。1、2年生と接する機会が多いから」
KJ:(貼り出してある規則のポスターを見て)規則が厳しいんですね!
森田「厳しいです。しかも宿はボロボロ。(笑)だけど、こわいもの見たさで病みつきになります。規則の中に、オーディオ機器の持ち込み禁止があります。それは日常と切り離すためで、非日常であるキャンプストアを楽しむということなんです。そうやって一緒に生活していくうちに、みんなで盛り上がれるゲームを自分たちで考えちゃったりして、お互いの名前を覚えて、班(注:1,2年生で6つの班に分かれる。1班30人)を越えての交流ができる。さらに、班は班で感情をぶつけ合うから、真の意味での友達ができます。こういう場にはまる人たちとは本当に熱い時間が過ごせますね。」
KJ:じゃあ、キャンプストアの終わる頃は本当に寂しくなりますね。
森田「そうですね。ここでの生活は夢のような生活で、終わることをあんまり考えてないです。来年は僕達3年はもう来ないから、ここで頑張らなかったら後悔する。だから頑張っています。キャンプストアが終わると、部員それぞれが成長していると思います。」
優しい口調で話す森田さんは、キャンプストアの家主そのものだった。
50周年を迎える今年は、特別な夏になりそうだ。
■キャンプストア(Campstore)
慶應大学広告学研究会の経営する「海の家」
葉山海岸で毎年7月〜8月にかけて営業される。
営業期間内は、様々なイベントが開催予定で、今年もモーニング娘。研究会のイベントや松沢神奈川県知事を呼んだシンポジウムなどが企画されている。
■慶應大学広告学研究会
「キャンプストア」や「ミス慶應コンテスト」,「三田広研」などを主催する部員数300名を超える大規模学生団体。
→http://www.keioad.com/