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Case 4
■あの投票はがきは一体何?
 

左のはがきに見覚えはないだろうか?ある日突然送りつけられてくる投票用紙。といっても、何の選挙で、何を選び、何が変わるのか。あなたは本当に理解していますか?探偵慶應スクープ。第4弾は、このはがきに名前の書いてあるお二人、山元さんと猪俣さんに直撃しました。




―立候補の理由と経歴を教えてください。

山元 毎年信濃町で行われる、四谷祭の実行委員会を今年を含めて3年連続で勤めていて、それがて全協に関わるきっかけになりました。そこで、【いろいろな公的団体のリーダーが集まる)リーダーズキャンプなどを通して他の団体の方とも知り合いになりました。そして、直接の立候補のきっかけは、特に四谷キャンパスにいると強く感じるんですけど、例えば三田キャンパスに何かをしにいく、ポスターを貼ったりとか三田や日吉の団体なら普通にやっているようなことをしても障害が発生しているのが現状です。例えば、三田実さんが模造紙に大きくインフォメーションを書いているのに、それは特例らしく、同じことを四谷祭実行委員会がやろうとしても許可出来ないと言われました。ある程度差があるのは仕方ないと思うのですが、あまりにも「特例だから」で済むことが多すぎて、同じ学園祭の実行委員会なのに明らかな不公平があると感じていました。そして、これはサークル間においても同様のことがあると思うんです。そういう団体間、キャンパス間の不公平感をなんとかしていきたいというのが一番強い理由ですね。事務局長になれば、いろいろな団体と話し合いが出来るので、各団体と「特例」やルールがあるのかを調査して不公平感が解消できればと考えています。


猪俣 私は今の事務局次長の小林さんとサークルが同じで、小林さんに話を伺って立候補しました。まったく公的団体には関わっていなかったので、分からないこともたくさんあるのですが、サークルで副代表などを経験していたので、それを活かして山元さんと一緒に取り組んで行ければいいなと思っています。

 

―キャンパス間不公平では、もう少し具体的にどのようなことを感じていますか?

山元 そうですね。私自身の経験で言いますと、日吉の塾生会館のホールに平台という人が乗る台があって、それは塾生であれば誰でも借りられるんですが、それを借りに来る団体ってのは大体固定されているらしいんです。例えば、吹奏楽の方とかチアの方とか。で、そういう団体の中で暗黙の決まりごとがあって、それは初めて借りる僕らに伝わってこないんですよね。具体的には、平台を借りて外に持ち出す時には、持ち出す期間中ホールを使う団体に、平台持っていく許可を個別に取らなきゃいけなかったらしいんです。でも、そんなルール知らなくて苦情の電話がかかってきたりして。僕らは塾生会館の運営委員が持って行って良いよと言ったから持って行ったんですが、塾生会館の人に怒られたりとか。
 あと、立て看板ですね。去年かなりもめたんですけど。今も選挙の立て看板があるんですが、いわゆる全塾生の利益を追求している団体について学校は割りと大き目の広報は容認しているんですけれども、四谷祭実行委員会もそれに順ずると思ったんです。でも、申請しに行ったら「基本的にダメだ」と言われて、ダメな理由もはっきりと教えてくれなくて一ヶ月くらいもめたんです。でも、そういうところで一々揉めるのもおかしい話じゃないですか。


―四谷キャンパスでは広報しやすかったんですか?


山元 そうですね。四谷キャンパスは四谷キャンパスで変わっていて、広報に制限がないんですよね。掲示板の数があまりに少ないので個別対応で、掲示板がいっぱいになっちゃったら他が貼れないから剥がしてと連絡が来る形です。そもそも四谷までわざわざ足を運ぶ人も少ないので、学生総合センターに塾内便で送っちゃって総合センターの人の裁量で張られている形ですね。


―例えば、SFCは未公認団体でも立て看板がたれられたりとか非常にゆるかったりしますが、キャンパスごとの学生課の差は具体的にどうやって洗い出しをされて行きますか?


山元 そうですね、まずは各団体の話を聞いたり、学生課の話を聞いて、大きさ何枚とか、学生課で決まっている規則をはっきりさせると。そして、当然そこからはみ出している団体がはっきりしてくるので、その規則からはみ出ている理由を明確にしていくという、現状把握から進めて生きたいと思っています。ただ、問題は「自分たちだけ許されているんだ」という特例を教えてくれるとは思えないので、そこは言い方は悪いですが全塾協議会としての権力を使って、きちんとお話をしたいなと思っています。そこで状況が整理されたら、各キャンパスごとの橋渡しをやっていければと思っています。


―全塾協議会の参加団体、各種委員会はフォローできると思うんですが、全協に直接参加していない一般のサークルさんについてはどうやって意見を吸い取ろうと考えられていますか?


山元 全塾協議会に参加している団体の多くは、学園祭実行委員にしろ、選挙管理委員会にしろ、自分たちのためではなく塾生のために動いている前提なので、普通のサークルさんとは性質が異なると思います。全塾協議会としては、まずは、その団体の活動が塾生全体の利益になるような団体から支援をしていければと思っています。今のところは、文字通り「全団体」という意識はあまりないですね。


―例えば、三田祭に参加したいオリエンパンフに掲載したいという普通のサークルについては、三田実の広報をサポートしたり、オリ実の広報をサポートをし、キャンパス間の連携を強化することで、三田祭やオリエンの参加方法がどのキャンパスにも分かりやすく通知されて行くという経路で利益が届いて行くという発想ですか?


山元 そうですね。それが僕のやりたいことのイメージに一番近いです。オリエン総会の告知も、オリエン総会は年に一回しかなくて、それに出なきゃオリエンの時に教室がとれないのに全然告知が出来てない。事務局長候補者の僕でさえ3日前に知ったぐらいですから。そこで、例えば全協のホームページをもっと見てもらえるようになれば、そこに告知を出すことで塾生に伝えることが出来る。そういう意味で広報には強く意識を持っています。


―広報の充実は山元さん自身も公約に掲げられていますが、具体的にはどのように考えていらっしゃいますか?


山元 具体的には、ポスターとホームページの利用ですね。ホームページあるんですが、存在自体知られていないので。今のホームページも事実が羅列してあるだけなので、読んでもらえるようなデザインにしたりなど全塾協議会自体の名前を売って行きたいですね。我々が広報をしない理由は全くないので。逆にもっと知って貰って、自治会費の分配なども公平にやって行きたいと思っています。
―それでは、キャンパス間連系は具体的にどのように進めて行かれますか?例えば、三田や日吉の団体がSFC協議会や四谷自治会にポスターを送ると代わりに貼ってくれる制度を作ろうといったことですか?


山元 そうです。それはかなり強くやりたいことですね。やはり、学校は現行の制度を変革することは嫌うので、SFCや四谷でそういう広報をやりたいなら、他のキャンパスの団体が直接やるより、各キャンパスの既存の自治会を通じて行うようにするのが中心になっていくと思います。それと同時に、各キャンパスの学生課間の不具合は個別に質問を出すなどして対応して行くつもりです。


―キャンパス間の違いというと、日吉では組織届を出せばポスターが7枚まで貼れたりするんですが、三田では「公認」になっていないとダメだったり、逆にSFCではそんな届出も要らなくて学外の団体でもじゃんじゃん張ってたり、新しくできた団体でも立て看板を出していたりしますよね。


山元 そこに、何か理由があればいいんですよね。でも、それがあいまいなままだったらそれは明確にして欲しい。それが明確になったのなら、とりあえずは現行制度の元で出来うる最大の方法を考えて行くという感じですね。

―特に、全般的に日吉は大変厳しいんですよね。他大学と比べるとほんとに顕著なんですが、ポスターも7枚までで、立て看板やビラ配りは原則的にダメ。この原因はどこにあると考えられてますか?


山元 僕の個人的な考えでは、政治や宗教関係の団体を規制するのが目的だと思うんですよね。現実、慶應には少ないのである意味功を奏しているのかなと。立て看板について言われたんですが、全面的にOKにしてしまうとキリがなくなってしまって、政治系のメッセージを講演会の宣伝として出されてしまい、一昔前の学生運動のような状態になるのを学校側は極度に恐れていて、三田実などは「特例」としているようですね。


―そういうところを改善して行きたいと


山元 規制を改善したいというより、四谷から見たときに日吉キャンパスが厳しいってことを知らなくって、ポスター作ってから行っちゃって断られたりとか、まずは大きく変えるというよりも違いを明確に公示するというイメージのほうが近いですね。ルールの透明化というところですね。

―ルールの透明化というと、日吉の食堂一階をテニサーがたまりとして占拠して、「ここ俺たちのたまりだから飯食うなよ」と一般の利用者を追い出す権利はどこから来ているんだとかですか?


山元 そうですね。そういうところはしっかりとやって行きたいと思っています。黙認、黙認でやっているところを洗いなおしたいのが一番やりたいことなんで。その辺曖昧にはしたくない。例えば、たまりの問題なんかは学生総合センターもあいまいにしておきたい、触りたくない部分だと思うんですよ。触ると揉めるんで。そういう問題を、僕らの方で学生課の方に言うと、「じゃあ、全協で何とかしてよ」といわれると思うので、そういわれたら塾生会館運営委員会などと協力してやっていけるとおもいます。ただ、今何かをやっているサークルの邪魔をしたいのではなく、新しくそういう利便を得たい、例えば新しくたまりが欲しいと思っているサークルの橋渡しをして行きたいというイメージですね。


―とすると、やはり団体からいかに実態を引き出せるかが重要になりますよね。


山元 そうですね。今までの仕組みだと、各委員会や公的団体の代表者と会えるのが、年2回のリーダーズキャンプと就任の承認の時しかないんですよ。リーダーズキャンプでも腰をすえて話せるのは、一団体当たり多くて15分、就任の際の所信表明の挨拶は5分くらいなので、結局年間で1時間しかしゃべってないんですよね。そんなんで、自治会費を分配していいのかって疑問もありますし、それじゃあ実態も分かるわけないので、、今はメールだってあるわけですし直接顔あわせなくても聞けることは聞けるので、それぞれの委員会の組織構造とか、代表がどうやって選ばれているのかとか調べていきたいなと。個別のヒアリングを重視して行きたいです。

―委員会などはそれで大丈夫と思うんですが、いわゆる一般のサークルについてはどのように対応されますか。


山元 やはり、まずは広報ですよね。我々のやっていることを知って貰って、利用したい人は利用できるようにする。それで利用しないというのならそれはそれなんですが、まずは知ってもらうことが大事なので存在を教えてあげたいですね。


―自治会関係の組織にはリーダーズキャンプなどで直接話せる機会があるんですが、一般の普通のサークルを集めて同様のことをしたりする計画はありますか?


山元 それは、是非やりたいと思っています。時期としては公的団体についての調査が一段落したぐらい、多分オリエン後くらいになると思うのですが、その時期にはやりたいなと。ただ、僕らが全校的団体の細かいところまで知っているわけではないので、他の団体の協力が得られるかが課題ですね。


―それは、日吉キャンパスで教室を借りて普通の自治会とかに関わったことのないような塾生を集めてやってみるなど、小泉内閣のタウンミーティングのような「一般塾生の声を聞く」といったイメージですか?


山元 そうですね。少なくとも一回はやりたいですね。時期的には新入生勧誘も終わって落ち着いてくる5,6月にはやりたいなと考えています。


―ところで、話を戻すようですが、全協は文連や体育会に参加していないと自治会費の配分も受けられないわけですよね?例えば、ゼミにしてもSFCはゼミナール委員会がないので、その学部には全協の恩恵が行き届かない。SFCのサークルは三田の文連に加盟してるケースはほとんどない。すると、多くのSFC生にとっては秋祭くらいしか自治会費を基にした全協の活動の恩恵が還元されていない。でも、三田もSFCの塾生も同じ額納めていたりする。この点についてはどう思われますか?


山元 全協に参加できるのであれば、どんどん参加して行く団体を増やして以降とは思っています。でも、その前に、全協に参加するための参加資格をきちんと決めた上で、その条件をクリアした団体に、自治会費を分配していこうと思っています。今、そういうところも曖昧になっていると思うので。例えば、文連だったら文科系のサークルが加盟するということになっていますが、実際全部の文科系サークルが参加しているわけではなくて、自治会費を受け取れるサークルと受け取れないサークルがある。文連さんの方で加盟のための基準があるとは思うんですけれども、そういうところをはっきりとして行きたいですね。


―最後に、今までの全協はどちらかというと予算配分の議長というスタンスだったと思うんですけど、今までのお話を聞くともっと積極的にリーダーシップをとって行こうというスタンスが見られるんですが。


山元 予算配分の方は、四谷祭で配分されていたので大体どんな仕事になるかは掴んでいますが、それほど時間のかかる仕事ではないはずなんですよね。一年間の任期の中で、8ヶ月くらいは他のことが出来ると思っています。団体として慶応義塾塾生の最高意思決定機関とされていますので、学生の代表として学校と交渉はして行きたいと強く思っています。もちろん、会計の監査はしっかりやらなきゃいけないんですが、わざわざアラを探すような力の入れ方するなら、もっとキャンパス間の連携とか広報とに力を入れて行きたいですね。もちろん、厳しくすべきところは厳しくしないといけないんですけど。


―最後に塾生に向かって一言


山元 もっと積極的に全協に関わってもらって、いろんな団体の存在を知って貰って、もっと学生生活を充実させて欲しいですね。


取材   村井裕一郎
 鄭有眞



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