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Case 1
■慶早戦、あの女性は誰?

      ↑外に向かって発声練習

早朝から並ぶ慶早戦。入場して暫くすると、応援指導部の演台に一人の女性がおもむろに登壇する。三色旗のセーターに派手なメイク。彼女は独特の甲高い調子で客席に向かって叫ぶ「けーおーぎじゅくだいがくおーえんせきの みっなっさーーん!」
 この光景、一試合でも観に行った事のある方ならご存知だろう。不思議なナレーションをする彼女達の正体は・・・




毎年、5月になると三田キャンパスなら西校舎の周辺、日吉キャンパスでは食堂棟のあたりから、発声練習の音が聞こえてくる。よく聞くとその声の中に、慶早戦でおなじみのあの名調子が含まれている。そこで、日吉キャンパスでその声の元をたどっていくと、そこは食堂棟の屋上4階。
 そして、発声練習を行う集団・・・放送研究会の練習風景だった。  
彼ら(彼女ら)こそ、慶早戦のナレーターの正体『放送研究会』5月に入り2週間の特訓を重ねて本番に臨むとのこと。

Q ところで、何で放送研究会がナレーションを勤めてるんですか?

A いや、僕らも何年前からとかって分からないんですよ・・・・


と、まあ、そういうことらしい。少なくともここ数十年の単位では放送研究会がナレーションを勤めているとのこと。

Qじゃあ、あの独特の調子や音程も伝統なんですか?

Aあれは譜面無いんですよ。耳で聞いて口で伝える。三味線や民謡と同じですね。ひょっとしたらちょとづつ違ってるかも(笑


ちなみに、客席のスピーカーの設置なども担当している。

 
↑音程などは口伝で伝えられる  ↑昼休み45分間の練習に集中

 MC嬢は例年2年生が担当するとのこと。しかし、放送研究会であれば誰でもやれるわけではない。試合は最短2試合。その場合、たった2人しかこの大役を果たすことは出来ない。
 
 2週間の特訓の後に内部で選考会が行われる。発声・姿勢・音程を上級生がチェックし、見事勝ち残ったものが更なる特訓を1週間繰り返し本番に臨む。まさにエースが投入されるのである。

 選ばれたものは禁酒禁煙はもちろん、喉を守るために寝る時の室温やエアコン、食生活まで自己管理が求められる「プロフェッショナル」の生活を送る。

 過去にその大役を務めた放送研究会の3年生は、「塾生が反応してくれるのが楽しい」と語る。

 基本は毎年変わらない3パートがあり、その後は時事ネタを混ぜながらオリジナリティを出す。過去にはハリーポッターやたまちゃん、ファイナルアンサーなど流行語を混ぜ笑いを誘う。

しかし、

Q今年の時事ねたは何を用意してらっしゃいますか?
A最近流行っているものってなんですかねえ、

と、逆にこちらが聞かれてしまう。

放研:SAXX
(アルファベット4文字)とかパナXXXX(ソニックではない)とか、話題といっても入れられないじゃないっすか。

と、今回はなかなか苦労している模様。どうやら、ゲッツとなんでだろ〜が有力候補の模様だが・・・

 彼女達の雄姿が見られる慶早戦は、いよいよ今週末。野球観戦はもちろん、試合前のアトラクションも盛り上がって、義塾の勝利目指していきまっしょい!



↑後輩を指導する3年生





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