三田キャンパスに通う学部生には、4年生になる春に「卒業アルバム個人撮影のお知らせ」というハガキが届く。もうすぐ卒業なのですよと自覚させてくれるようなこのハガキは、卒業アルバム委員会から送られてきている。卒業アルバム委員会とは、その名前通り、文・経済・法・商学部や通信教育過程の学生たちのための卒業アルバムを製作・販売している団体で、三田祭実行委員会やオリエンテーション実行委員会と同じく全塾協議会の特別委員会に所属している。
今回は、卒業アルバム委員会の利根川裕太さん(経済学部4年)と佐俣安理さん(経済学部4年)に卒業アルバム製作に関するお話を伺った。
■慶應義塾大学卒業アルバム委員会
http://www.sotsuaru.com/
「卒業アルバム」といえば、中学校や高校を卒業する時にもらった分厚い本を思い出すことは出来るが、何万人という学生が通う大学のアルバムは意外と想像がつきにくいだろう。そこに、一冊の本に何万人の写真を収めることは可能なのかどうか、疑問を感じるかもしれない。実際にも、慶應大学全学部の卒業生を一冊のアルバムに残すというのは難しいことで、現在、塾には卒業アルバムを作る三つの団体が存在する。三田の塾生を対象とする卒業アルバム委員会を始め、理工学部の理工学部卒業アルバム委員会、最後に、SFC YEARBOOK委員会だ。SFC YEARBOOK委員会は卒業アルバムというより、全学年のSFC生を向けの「YEARBOOK」を作っている。その中で、今回取材した卒業アルバム委員会は、三田キャンパスに所属する文・経済・法・商学部や通信教育課程の学生たちのための卒業アルバムを発行している。三つの団体の中でも対象とする人数やその規模が一番大きく、アルバムは個人写真やゼミ・団体写真をメインにした本冊と、様々なイベントやキャンパス風景などを収めた別冊、「塾歌」や「若き血」などの音源を入れたCDとで構成されている。
▲卒業アルバム委員会:利根川裕太さん(経4)
―卒業アルバムはいつから作り始めるのですか。
写真は入学式から卒業式までの4年間の写真を全て入れたいので、写真に関しては時期に関係なく、一年中撮っていますね。三田祭、慶早戦など誰もが知っている行事だけではなく、昨年は正月の箱根駅伝や雪が積もった三田キャンパスなども撮りました。そして、実際の編集作業は11月ぐらいから始めます。
―人数はどれぐらいですか。
卒業アルバムを作る団体なので、実際新歓がほぼ出来ないという事もあって、人数は20人ぐらいしかいないですね。卒業アルバムを作りたいと思って自ら部室に来る人もいるんですけど、カメラクラブと放送研究会から先輩に誘われて入ってきた人が多いですね。頼まれて少し手伝っていたらいつの間にか入っている!みたいな感じですね(笑)
―20人で卒業アルバムを作るのは…結構大変ではないですか?
写真に関してはカメラクラブの部員に手伝ってもらったりしているのでそこまで大変ではないですが、編集作業は3,4人で全てやらなければならいので、本当大変ですね。締切りが迫ってくると、みんなで学校近くの安い宿で寝泊りしながら徹夜で作業をします。編集作業に、ゼミに、試験、インターン……その時期は本当に充実していました(苦笑)
▲卒業アルバム委員会:佐俣安理さん(経4)
―写真もプロのカメラマンに頼むのではなく、直接皆さんが撮られるのですか。
やはり学生が見て思い出に残るようなモノは学生にしか撮れないと思います。例えば慶早戦の写真にしても、朝から並んでいる様子を撮った写真だったり、前日に飲みすぎて球場に入る前からつぶれている人たちの写真だったり…そういう感じの写真を撮るようにしています。スポーツ新聞などには絶対載らないような写真ですが、やはり学生にとってはそっちの方が思い出を感じられると思っています。
―載せる写真を選ぶ時もそういう部分を大事にしているんですか。
そうですね。学生としての視点、つまり学生が見て思い出になるような写真を選んでいます。卒業アルバムというのは学生時代を思い出すための道具だと思います。今すぐにはただの分厚い本かもしれないんですけど、10年後、20年後になってから見ると本当に懐かしいと感じられるものだと思うので、私たちもそういう部分を考えながら作るようにしています。
―そうすると作る人によって毎年違う感じのアルバムになりそうですね。
特にこうしなければならないという決まりがあまりないので、その年、その年のカラーが出ていると思います。たとえば2004年にはスポーツを大きく取り上げてスポーツイベントの写真や体育会の写真が多かったんですが、2005年からは塾生全体を広く取り上げていますね。
―実際にはどれぐらいの方がアルバムを買っていますか。
1年に約3000部〜3300部ぐらい作っていますので、卒業生の6割ほどが卒業アルバムを買っていますね。比べるところではないんですが、健康診断を受ける人数といい勝負になると思います(笑)
―それほど多くの学生の手に渡るものを作るのは、責任を感じることも多そうですね。
卒業アルバムは毎年3000部以上作られているわけですが、買っている人にとっては自分の手元にある1部が全てで、しかも一生残るものなので、すごく責任を感じます。特に注意しているのは、個人写真の名前ですね。名前は間違ってしまうと本当に失礼になりますので、本当に細かい部分まで間違わないように注意しています。(どんな字が特に難しいですかと聞くと)意外と吉田とかそういう簡単そうなのが難しいんですよ。上と下どっちが長いのか分からなかったりして(笑)。名前確認のために1月ぐらいに卒業アルバム委員会の方から電話をかける場合もありますので、その時はみなさんよろしくお願いします!
―最後にみなさんに一言お願いいたします。
我々が作っているのは、学生による、学生のための卒業アルバムです。学生時代の様々な思い出を形にした、一生残す価値のあるモノだと思いますので、個人撮影を逃した方も、ゼミ撮影や団体撮影に是非参加して、学生時代の素敵な思い出を残してください。
※ゼミ撮影について
■受付期間
撮影希望日の前週の月、火、水曜日
6月5日〜6月9日 撮影希望 → 5月29日〜5月31日 受付
6月12日〜6月16日 撮影希望 → 6月5日〜6月7日 受付
6月19日〜6月23日 撮影希望 → 6月12日〜6月14日 受付
■受付時間 : 11:00〜15:00
■受付場所 : 三田学生団体ルーム21番(委員不在の場合はルーム入口の箱に入れてください。)
■申込書を手に入れるには…
* 卒業アルバム委員会のHPから申込書(pdf)をダウンロードし、A4サイズで印刷してください。
A4サイズ以外のものは受け取れませんのでご注意ください。
* 西校舎前の立て看板に設置しています。必要枚数だけご自由にお取りください。
■対象 : 三田設置学部(文、経済、法律、政治、商)の各研究会
■注意事項
* 受付期限を過ぎた場合は受理できませんのでご注意ください。
* メール、電話、FAXによるお申し込みは一切できません。
* 後半は大変混み合いますので、お早めにお申し込みください。
※団体撮影について
団体撮影は、クラスや学部などに関係なく、どなたでも自由に参加出来る撮影です。
詳細は11月頃にお知らせします。
※卒業アルバムの購入に関しては、12月頃に保証人宛でご案内をお送りします。
・卒業アルバム委員会 http://www.sotsuaru.com/
・理工学部卒業アルバム委員会 http://r-sotsuaru.com/
・SFC YEARBOOK委員会 http://www.sfc.keio.ac.jp/yb/