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Case 12
■新装開店!日吉生協食堂
 〜慶応義塾生活協同組合インタビュー〜
新装開店!日吉生協食堂

皆さんは知っているだろうか・・・。日吉生協食堂がこの秋新装開店したことを。そしてどれだけ大きな変化を遂げたのかを。ただ外観が変わっただけではない、食堂の至る所に細かな工夫が施されているのだ。一体前と比べてどこが変わったのか、塾生が最も関心を寄せる新日吉生協食堂の魅力を探るべく、我々は取材を試みた。

■慶應義塾生活協同組合
http://www.keio-coop.or.jp/




まず入り口から入った我々を待ち受けていたのは想像をはるかに超えた光景だった。広い!明るい!なにやら出食エリアも凝っているようだ。それに噂ではあの「イタリアン・トマト」も出店しているというではないか!あまりに大きな変化を目の当たりにし戸惑う我々は新食堂の実態を知るため、生協食堂を管轄している慶応義塾生活共同組合(COOP)の方にインタビューをさせていただいた。

■改装理由

そもそもなぜこの時期に食堂を改装することになったのだろうか・・・。

―日吉生協食堂改装の経緯を教えてください。かなり前から計画されていたのですか?
ええ。最初に具体的な話があったのは3年位前でしたね。食堂棟が古くなっているので改装したいという話が大学から来ました。実際に改装計画が動き始めたのは去年の7月でした。来往舎が建って教員や研究施設についてはリニューアルしたのですが、塾生が使う施設は変わっておらず、とりあえず日吉は食の環境が良くないので、その環境を整えようというのが大学側の意思だったんです。

―塾生からも改装してほしいという声はあったのですか?
改装についての具体的な意見というよりも席が少ないなどの食堂に対する不満は日常的に昔からありましたね。学生総合センターが2年に1回学生生活実態調査のアンケート項目で不満な点の第一位が食堂だったんですよ。

■新生協食堂のコンセプト

注目の新生協食堂。具体的にはどこが変わったのだろう?

―まず新生協食堂はイタリアン・トマトJr.が入っているということで話題ですが、どのような経緯があったのですか?
大学側から食堂改装に当たって普通の生協食堂とテナント、いわゆるブランドを持った一般店舗を一つ入れて欲しいという要望があったんです。それをふまえて改装計画が動き始めた7月に塾生に対してアンケートを行い、どういうものを食べたいのか、一般の店舗を入れるならどんな店がいいのか、などいろいろ聞きました。そこでイタリアンが食べたいという意見が非常に多かったので、生協としてはその一般店舗をイタリアンにしようということになりました。具体的に言うとサイゼリアが入って欲しいという声が最も強かったですね。

―でも結果としてはイタリアン・トマトJr.ですよね?
はい、いろんなところに打診はしてみたのですが、大学の中で営業してくれる店ってなかなかないんですよ。大学のキャンパス内では年間営業数がどうしても少なくなってしまうからでしょうね。通算180日くらいかな。その難しい状況の中で協力して営業していただけるお店を探した結果、一般店舗としてイタリアン・トマトJr.が入ることになりました。

■内装

▲自慢の明るい内装

―では内装についてですが、かなりオシャレになりましたよね!?
はい、食事だけじゃなくてくつろげる場所やゆったりしたソファが欲しいという要望が非常に多かったんです。他にも出食エリアに昔の塾の写真を引き伸ばして5枚ほど貼ってあるのですが、それはなかなか評判がいいですよ。あと最初皆さんが驚かれたのはユニフォームが変わったことですね。男性陣が選ぶとろくなものにならないので、実際に現場で働くパートさんから着たいデザインを聞いて作りました。


―くつろげるという点に関してですが、営業時間は?
生協食堂もイタリアン・トマトも始まりは10時30分からですが、終わりは生協食堂は3時、イタリアン・トマトは6時半までです。5時限が終わったあとも利用できます!

▲話題のイタトマもやはりおしゃれ!

―食堂全体が明るくて入りやすいですよね。
内装を全部塗りなおして床も全部張り替えましたからね。こんなに蛍光灯を増やしているところはないでしょうね。

―慶應大学を目指している受験生にもいいアピールになりますよね?
ええ、オープンキャンパスなどではすごく売り物になると思いますよ。


■注目のメニュー!

▲新食堂はメニューが充実!

何といっても一番気になるのはメニュー。それが今回は相当凝っている!5つのコーナーを設け、お客さん自身が自由に好きな料理を組み合わせることが出来るのです。注目のメニューについて詳しく知りたい!

―メニューも大分変わりましたよね!?
大学生協の基本メニューはカフェテリア形式なのでその部分は残して、他に色々なコーナーを加えることにしました。まず、お客さんが目の前で調理を見られる「炒(チャオ)」というコーナーを設けました。電気調理器を置いて、料理を作る人がその場でフライパンを振ります。また、2年前に藤沢の生協食堂で、自分で料理を好きなだけ取ってグラム単位で料金を換算する「グラム・バイキング」を取り入れたところ、これが比較的好評でしたので、日吉生協食堂にも取り入れることにしました。あと、大学には忙しい学生さんが非常に多いので、とにかく早く料理が出せる「丼&Curry」と「Joy楽皿」を設けました。

―一つ一つのコーナーにちゃんと意味があるんですね。
はい。またグラム・バイキングも電気プレート、氷の入ったケースなどを揃えて、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく召し上がれるようにしています。

▲新感覚の炒(チャオ)

▲好きなものを好きなだけ取れるグラム・バイキング



―利用する塾生により効率よく使うためのアドバイスなどありますか?
そうですね、グラム・バイキングのコーナーでは取りすぎに注意した方がいいですね。最初に利用されると分かると思いますが、自分で思っていたよりも多く取ってしまう場合が多いんですね。ほら、よくホテルの朝食バイキングなんかありますでしょ?あの調子でなんでも取ってしまうと思っていたよりも値段が高くなってしまうんですよ。それで値段でびっくりしてしまうとか多くとりすぎて結局全部食べられないことがよくあります。ポテトサラダなんか特に重いですからね。結構いい値段になってしまうんですよ。途中に計りが置いてあるんですよ、お試し用に。レジに持っていく前にどれくらいなのかを計ってみるといいですよ。

▲一番人気のナシゴレンは390円!!

―では今の段階で人気があるのはどんなメニューですか?
圧倒的なのはプレートのランチでナシゴレンというインド料理が珍しいのか人気ですね。あとは「炒」のコーナーであつあつの回鍋肉が390円で食べられるのが魅力的みたいです。大体昼食の平均単価の希望が380円から420円の間だったのでその範囲で食べられるメニューを設置、ナシゴレンのプレートもカツ丼も380円で食べられるようにしました。

―他にオススメのメニューはありますか?
イタリアン・トマトは結構いろいろなことをやっているんですが、ジェラートアイスが大ヒットしているんです。天然素材を使っているので品質的にも安全ですし、味ももちろんおいしいですからオススメです!また遊遊キッチンの方も今回かなりデザートを揃えておりますのでこちらもぜひご利用ください。

―ではこれが完成型ですか?それともこの先も変わる予定はあるのですか?
もちろん、こういう食堂はメニューに必ず飽きが来ますから、その時は季節や1ヶ月周期などで変えていこうと思っています。

■改善点

メニューは納得。しかし旧生協食堂についての不満な点はしっかり解消されているのだろうか?

▲座席数が大幅に増えたホール

―塾生アンケートで前の食堂は席が少ないという意見がありましたが、その点は改善されたのですか?
はい。2階にあった生協食堂は220席しかなかったのですが、今回は1階のホール部分が約500席、今建設中のテラスが120席、イタリアン・トマトが100席、そして12月にオープンする2階部分は600席で合計は1500席弱ですね。ただそれで十分かというと、我々の試算では決して十分ではありません。今お昼時は混んでいるために座れない学生さんが多いじゃないですか。


―そうですね。前の二幸食堂ではサークルのたまりもありましたしね。
そうなんです。ですから塾生の皆さんには極力たまりにしないというのを協力していただきたいですね。

―他にも塾生に対して食堂からのお願いなどはありますか?
今まではテーブルを自分達で勝手に動かしてしまう塾生がいたので、なるべくそのままの形で使っていただきたいです。ただこの新生協食堂は営業が終了してからも9時までホール部分は使えるので、混雑していないときなどは談話・勉強スペースとしてどんどん使って欲しいなと思います。
またレジの通過スピードを上げるためにTUOカードとEdyカードを導入して、遊遊キッチンでは第3週に、イタリアン・トマトでは毎週水曜日に、そのカード利用者のご利用金額から10%OFFという特典を受けられる制度を設けました。ぜひカードを利用してスムーズなお会計にご協力いただきたいです。利用者が増えれば今4台あるレジの中の1つをカード専用にすることも考えています。

■生協食堂の新名称

―今回生協食堂改装にあたり、新名称を募集していましたよね?
(参考:【名称募集】新生協食堂ネーミング募集!! ―Keio-n・慶應ジャーナルニュース)
ええ。公募しまして、200人くらいの方から600件の応募がありました。生協学生委員会のメンバーが絞り込みをしまして、最終的には生協理事会で決まりました。「遊遊キッチン」が採用された理由としては、食事を楽しくして欲しいという思いと、出食エリアのスタイルがいろいろなところに行って少し取って食べるという回遊型なので、その雰囲気がこの名前によく出ているからですね。馴染みやすく覚えやすい名前なのでぜひこの「遊遊キッチン」の名前で呼んで欲しいですね。皆さんによりこの名前を覚えていただくために、今回は看板だけでなく、いたるところにこのデザインを使って、出来ればこれから先、箸部分にも名前を入れられたらと思います。

―最終候補―       
La nonjeGardensLa La Cucina
AIRニコペン遊遊キッチン
You KitchenHIYORIAFamille(ファミーユ)

■問題点・苦労

しかしこれだけ大きなプロジェクトが動いていたのだから何かしら途中で問題や壁にぶち当たったはず。どのようなことに苦労したのだろう。

―この改装計画において何か困った点などありましたか?
今回生協食堂が2階から1階に移ることになってあきらめたメニューがあるんです。生協は元々ラーメンなどの麺類が得意だったのですが、1階に入る業者は麺類をあきらめるという話になっていたんです。生協食堂は1階のほうが広く地理的条件がいいので、1階に入るなら塾生たちの人気メニューである麺類は扱わないという塾の裁定があったので、仕方なく得意だった麺類をあきらめました。

麺類をあきらめる以外にも、問題とか苦労したことなどありますか?
大学の方から席数を確保することと、ホールで大きなパーティが出来るようにするということを言われておりまして、結果的に厨房スペースが我々が考えていたよりも狭くなってしまったことですね。製氷機など大きすぎて厨房に入れられない調理器具などもありましたし、購買部で販売するお弁当を作るスペースがなかなか取れないですね。

■塾生・来店者の反応

―24日の土曜日からは通常営業に入ってまだ開店してから日にちは浅いですが、何か塾生から声などは寄せられていますか?
まずは驚きの声が多くて、どこに並んでいいのかが分からなくて困っているようでしたね。
ただ、こちらがびっくりしたのはテスト営業のときは利用の仕方が分からなくて闇雲に並んでしまっていたのに、少し日にちが経つとむやみやたらに並ぶのではなく上手く出食エリアの位置を理解して使っているようで、あまりすごい行列は今のところ出来てないんです。皆さん順応性が高いんですね、さすが慶応の学生だなと思いました。

―他にもお客さんを見ていて気づいたことなどはありますか?
ちょっとおもしろいなと思ったのは、土曜日などに近隣に住んでいる一般の方が食堂に食べにきているんですよ。予想外でした。前の食堂では入りづらかったのか、あまり見られない光景でしたからね。これだったらたとえば受験のときにお子さんを待っているご両親の方も快く利用できますしね。

■最後に一言・・・

今オープンしたばかりでまだ少しごたごたしていますが、ぜひ塾生さんのいろいろな声を聞かせていただきたいですね。食事の味についてもメニューの種類についてでもなんでも良いですから。組合員の声のボックスを正面に設置してありますので、どんどん意見を書いて欲しいです。

このインタビューを通して生協食堂が大きく変わり、とても使いやすくなったのだと分かった。
その後我々は実際に食堂を利用してみたのだが、最も混む昼休みの時間帯だったにもかかわらず、席数が多いためか回転率が良く、すぐ座って食べることができた。このことからも今回の改装がとても有意義なものであったことを実感した。
まだ利用したことのない塾生は是非とも実際に足を運び、新生協食堂の魅力を体感して欲しい。

▲お腹が空いたら生協食堂へ!





取材   村田公仁子
鄭有眞



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