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No.3
■海外インターンシップフォーラム
 〜国際人を目指して

7月9日、慶応大学日吉キャンパスにて、アイセック慶應義塾大学委員会の主催で「海外インターンシップフォーラム〜国際人を目指して」が開催された。主催のアイセック(http://www.aiesec.jp/)は海外インターンシップの運営を行っている学生団体で、当イベントでは参加者の学生に対して、キャリアのひとつとしての海外インターンシップの可能性が紹介された。




精力的に活動されている社会人の方4人をゲストに招いた当イベントは、JICAの内藤徹氏の基調講演にはじまり、その後オーベクス国際交流協会、IIP(インターナショナル・インターンシップ・プログラムス)、株式会社オールウェイズ、それにアイセックを含める4団体の代表者により海外インターンシッププログラムの具体的な説明が行われた。会場には40名を超える学生が集まり、学生らは約3時間の開催時間のあいだ終始真剣な表情で話に聞き入っていた。

参加者の学生からは、「海外インターンシップの“説明会”に留まらない、人生考える材料をもらえたイベントでした。国内海外ということにとらわれず、やりたいことやって生きようと思いました。」「海外インターンに興味があって参加した。学生のうちにしかできないことだし、世界を見てみたいと思う。」「社会人の方のお話が聞けて刺激的でした。」といった声が聞かれた。

☆基調講演「JICA内藤氏」

慶應義塾大学文学部の卒業生でもあるJICAの内藤氏は、基調講演にて自身の大学時代の中での海外旅行の苦労話に触れて、「大変なことっていうのは、後から考えると大抵オモシロイことです。初めてひとり旅で中国に行ったとき、めちゃくちゃ怖かったけどその中での自分なりの対処方法が身に付いた。」「なんでもまず動いてみることは大事だ。とりあえず1回やってみることで、同じことをするのにかかるエネルギーが小さくなり、次からの行動が変わります。」と語った。

内藤氏は、大学卒業後に就職した企業での仕事でアメリカのビジネススクールに通った経験を持つ。アメリカで学んだ思考法や、アメリカで出会った友人達が今の自分をつくっていると語りつつも、ビジネススクール自体は「嫌いだった」という内藤氏。そこで逆に「儲けじゃないことを考えたい」「金儲けだけということから外れて自分は何をしたいのか」ということを考えたという。

現在はJICAの職員として活躍されている内藤氏の語る地に足のついた「国際的なキャリア」の話には、学生が自分自身に自分のキャリアを問いかけ、考えるヒントとなる言葉がちらばっていた。

内藤氏から、塾生へのメッセージとして、こんなお言葉をいただいた。
「国際協力に関心があるなら、まず現場に行ってみること。」
そのこころは?
「面白いよ!」
なるほど。とにかく行ってみて、やってみて、考えること。国際的なキャリアは、その過程のひとつなのだ。


☆ゲストの講師の方々から、慶應ジャーナルに特別にコメントをいただいた。
「塾生に向けて一言お願いします!」という言葉に、対して・・・

・オーベクス国際交流協会副代表を務める豊田圭一氏

「小さくまとまるな、ってことですね。自分がどうしたいのか、何をしたいのかってことを大事にしてください。やりたいことを目いっぱいやれば、結果はついてきます!」

・株式会社オールウェイズの小出求氏

「チャレンジすれば変わります。
自分のスキルを磨き、腕一本で食っていける何かを身につけてほしい。能力主義の時代が今確実にやってきている。今の学生の皆さんには、何をやって食っていくかということを根性出して考えてほしい。自分が何をしたいのかしっかり考えて、走り出してください。チャレンジしてみてください!」


・IIP(インターナショナル・インターンシップ・プログラムス)の吉田厚彦氏

「これからのシュウカツは海外で!外国かぶれじゃなく、日本のよさがわかっている国際人になってほしい。海外で自分を知り、世界を学んでください!」

海外インターンシップの魅力を語ってくれるのかと思いきや、3人の講師のお言葉はどれも「海外インターンシップ」というタームにとらわれることのないものだった。
海外インターンシップは手段のひとつに過ぎない。

就職活動の際に、企業に採って“もらう”ために企業の側のご機嫌をとるような志望動機をエントリーシートに書いたりしていないだろうか?
相手にどう思われたいか、ではなく、自分がどうしたいのかということ。
海外インターンシップフォーラムでは、学生が自分にできることを探り、自分のしたいことを考える、そのためのきっかけとして、海外インターンを利用してみては?というひとつの提案が行われたのだった。

海外留学とも、国内インターンシップともちがう、学生のうちに海外で生活し海外の社会で働いてみるという貴重な経験ができる海外インターンシップ。
自分を知り、世界を知るための、海外インターンはひとつのきっかけ。
あなたもきっかけを、掴んでみませんか??


☆海外インターンシップのゲストの方々のプロフィールは以下のとおり。

・JICA http://www.jica.go.jp/ 内藤徹氏
国際協力機構(JICA)在外・安全対策グループ勤務。慶應義塾大学文学部卒。大学一年ではじめての海外旅行。その後、中国、インドへ一人旅に行く。住宅メーカー勤務中に米国ボストン大学経営大学院に留学。30歳を前にしてJICAに転職。
これまで、地域開発計画の策定支援、トルコ事務所、援助人材養成などの業務に携わる。好きな国は韓国、ベトナム、トルコ。日本在住外国人と日本人との愉快な共生を目指す「エスニクラブ」を主催。

・オーベクス国際交流協会http://www.ovecs.com/ 豊田圭一氏
学生時代はバックパッカーとして世界30ヶ国以上をまわったという豊田氏。1994年オーベクス国際交流協会の創設に参加。以後10年間、海外留学・海外インターンシップのコンサルタントとして活動。現在オーベクス国際交流協会副代表、トランスボーダー代表取締役、BeatCommunication取締役を務めており、幅広く活動をされている。オーベクス国際交流協会とは、本部であるOverseas Educational Consulting & Services (OvECS)は米国アリゾナ州フェニックスにおいて設立された教育法人。全米および全世界にネットワークを持ち、国際交流・教育事業の運営、英語圏に存在する高等教育機関を対象にしたあらゆるコンサルティング、そして様々な個人留学のサポートなど、幅広く活動を行っている。

・IIP(インターナショナル・インターンシップ・プログラムス)http://www.internship.or.jp/index.shtml 吉田厚彦氏

IIPは1979年の創立以来、国際的レベルで教育、文化、職業交流活動を展開している。現在までの25年間に、10,000人以上の日本人を世界各地に派遣。米国連邦政府の審査を経て設立され、米国の特定団体にのみ許可されるJ−ビザ(国際交流ビザ)の取得書類の発行権限を持つ非営利の国際交流団体であり、私立大学などと同様に主として参加者の費用及び寄付金により運営されている。米、英、加、豪をはじめ、延べ51ヵ国の各州政府教育庁及び学校区と連携、協力をしながら、スクール・インターンシップをはじめとする各プログラムを企画・運営している。学生時代はバックパッカーとして世界を見て回ったという吉田氏は、現在IIPの広報部部長をされている。


・株式会社オールウェイズ 小出求氏
http://www.career-assistance.com/index.html

昭和47年慶應義塾大学法学部卒業。大手建設会社へ入社し、7年間の海外勤務を経て人事関連業務を担当。以後人事部長としてさまざまな業績を残し、退職後渡米しワシントンDCにて米国の人事関連制度、雇用関連実務、キャリアカウンセリング等について最新の理論と実務を学ぶ。株式会社オールウェイズでは、米国ワシントンDCに本拠を構えるThe International Center for Language Studies(ICLS) と提携しインターンシップ斡旋サービスを行っており、その他にも面接スキルのアドバイスなどキャリアプランニングアドバイザーとして活躍されている。





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